新病院の完成イメージ図

　福島県伊達市の公益財団法人仁泉会は、市内箱崎で運営している北福島医療センターを移転、新築する。２０２６（令和８）年１０月末の完成、２０２７年春の開院を予定している。現在の診療科目は１６科目だが、眼科や心臓血管外科、皮膚科などを加えて１９科目とし病床数は２２０床となる見通し。新興感染症などの対策を強化するとともに病棟部分に免震構造を採用し、災害時に即応できる体制を構築する。 　１６日までに木村秀夫理事長が明らかにした。現在の北福島医療センターの南側に建設する。敷地面積は３万５８９３平方メートル、延べ床面積は１万５６２８平方メートル。病棟は４階建て、外来棟は２階建てで駐車場は６３１台分を確保する。移転新築に伴い仁泉会が運営する市内保原町の保原中央クリニックを閉じて新病院に統合する。 　２００２年１２月に完成した現在の建物は東日本大震災や２度にわたる福島県沖地震で医療機器や院内の配管が損傷するなど甚大な被害を受けた。耐震工事を重ねても診療を継続するにはリスクが大きいと判断した。１２月に着工する。

（写真：福島民報）

　北福島医療センターは、県北地域の中核病院として県の地域医療支援病院に承認されている。白血病や乳がん、消化器がんなどがん治療に特化した診療にも取り組んでおり、新病院も急性期医療の機能を担いつつ、超高齢化社会に対応した地域医療を支えていく。 　木村理事長は「新病院の整備により安全な職場環境を整え、さらに地域住民が安心できる医療環境を提供していく」と話している。