「相手に伝わらない」をなくす!伝達力を上げる「5つの大原則」と「3つのテンプレート」【あてはめるだけ】
話の組み立てに役立つ「3つのテンプレート」
伝え方や言語化に苦手意識を持つ人の中には、「一文一義で端的に伝えることはできるけれど、話すことそのものが下手」という人が少なくありません。 そんなケースの場合は、今からご紹介する「結論優先型」「列挙型」「ストーリー型」の3つテンプレートを活用すると、話をうまく組み立てることができます。 話の組み立て方の基本のキは「幹→枝→葉」。何の話なのかがわかる「核となる情報」から話を始め、だんだん細かい情報に枝分かれしていくイメージです。3つのうち、どのテンプレートを使う際にも、この「幹→枝→葉」を意識して組み立てるといいでしょう。 ◆ワンメッセージを掘り下げて伝えたいときは「結論優先型」 1つのメッセージを伝えたいとき、一から順に説明をし始める人は少なくありません。しかし、話の展開が見えないと、相手は「結局何が言いたいの?」とストレスを感じます。これを避けるためには、「私はこれから、こんな話をします」と、まず話の全貌や結論を伝える必要があります。それが「結論優先型」です。 結論優先で物事を伝える場合は、次の4つのステップを意識しましょう。この順番に話すことで、たとえ話が少し長くなっても、相手をイライラさせず聞いてもらうことができます。 ●結論優先型の4つのステップ 1.結論(最も伝えたいメッセージ) 2.理由・根拠(もっとも伝えたいことがそれである理由や根拠) 3.具体例(詳細) 4.まとめ(なくてもいいが、長くなる場合はあると親切) このテンプレートは、報連相をはじめ、何かしらの提案や企画を伝えるときに重宝します。また、会議やミーティングで賛成・反対を表明する際や、限られた時間の中で何か説明をしなければならないときにも有効です。 ◆複数の情報を整理して伝えたいときは「列挙型」 「このプロジェクトのポイントは3つあります。1つ目は○○、2つ目は△△、3つ目は□□です。まずは1つ目の○○からご説明します」などと伝えるのが列挙型です。ワンメッセージに絞り込む結論優先型とは異なり、伝えたいことがいろいろあって、かつ重要さのレベルが並列的である場合に、この列挙型のテンプレートが役に立ちます。 ただ、伝えたいことがたくさんあるからと言って、すべてを羅列しても相手の心には残りません。相手のニーズに合わない情報は切り捨て、ニーズを満たせる「特に大事なポイント」にしぼりこむことが大切です。 列挙型の良いところは、ポイントが厳選・整理されているので、相手がストレスなく内容を理解できる点。「ポイントは3つあります」と最初に言われれば、「ああ、ポイントが3つあって、1つずつ説明してくれるんだな」と話の展開を予想しやすくなり、その後の話も頭に入ってきやすくなります。 なお、列挙数は3~5つがスタンダード。数が多くなるほど、相手の理解度が下がりやすくなるので注意しましょう。 ◆相手の感情を動かし共感を得たいときは「ストーリー型」 相手の心を揺り動かしたいとき、興味を引き付けたいときに有効なのが、「ストーリー型」のテンプレート。次の4つのステップを意識して話を組み立てると、ドラマティックに物事が伝わります。 ●ストーリー型の4つのステップ 1.発端(世の中や自分の中にあるマイナス因子) ↓ 2.転機(マイナス因子を解消する人やモノ・出来事との出会い) ↓ 3.成長(転機となる出会いによる効果や効能、変化、進化) ↓ 4.未来(素晴らしい未来像、ハッピーエンド) ストーリー展開が大事なので、最初はマイナスから始めましょう。どん底だった主人公が何かをきっかけに成長し、どんどん輝いていくという展開には、誰しも引き付けられるものだからです。そして最後は、ハッピーな話で締めると印象はぐんとよくなります。 例えば、ステップアップ面談で成長をアピールしたい、面接でこれまでの経緯を伝えたいなどという場合、テンプレートに当てはめて以下の要素で伝えるといいでしょう。 ●ストーリー型の例 1.発端 ハウスメーカーに入社し営業部門に配属されたが、当初は専門用語が全く分からず、職人さんに質問されても何も答えることができなかった。 2.転機 そんな私に一から現場のことを教えてくれたのが、先輩のAさん。たくさんの現場に同行させてもらい職人さんとのやり取りを見せてくれたおかげで、専門用語はもちろん現場の方々との関係性の築き方、仕事の進め方を学ぶことができた。 3.成長 1年後、現場監督を任されるようになり、職人さんのニーズをくみ取り先回りして行動できるまでになった。 4.未来 チーム一丸となってお客様のマイホームづくりに携れることに、やりがいと誇りを持っている。今後もお客様の幸せな未来のために努力を続けていきたい。 なお、伝達力は言語化力を身につけるために重要なスキルであるとお伝えしましたが、「語彙力」「具体化力」という2つのスキルとも大きくかかわっており、これら3つを鍛えることで言語化が飛躍的にうまくなります。