250年以上前から続く正月行事「左義長神事」 手作りの「巨大だるま」みこし担ぎ練り歩く 島根県松江市
島根県松江市鹿島町の古浦、恵曇両地区に伝わる正月行事「左義長(さぎちょう)神事」が3日、両地区であった。手作りみこしを担いだ住民らが威勢の良い声を響かせながら、地区内をにぎやかに練り歩いた。 【動画】ワンピースの「カイドウ」をモデルに力作完成 松江・古浦地区の干支みこし
左義長神事は、豊漁や家内安全、商売繁盛を祈願する祭りで、250年以上前から続くとされる。両地区の住民が制作するみこしのデザインは、その年の干支(えと)を採用することが多いが、巳(み)年と酉(とり)年はオリジナルのみこしを作ることになっており、今年は古浦地区が招き猫、恵曇地区はこま犬とだるまとした。 当日はみこしを担いだ両地区の住民が古浦天満宮と惠曇神社を出発。祝い歌の「大漁節」と「若松」を歌いながら、冷たい海風が吹く漁港の路地をゆっくりと進み、地区境の湊橋で両地区のみこしが出会った。沿道では地区住民が笑顔で出迎え、写真や動画を撮る光景がみられ、普段は静かな漁港がにぎわいをみせた。 恵曇地区でのみこしの制作は5年ぶりで、恵曇伝統行事実行委員会責任頭役の草本正さん(68)=松江市鹿島町武代=は「地区の方々もこの日を楽しみにしていたため開催できて良かった。後世につないでいきたい」と話した。