米連邦控訴裁、機密文書持ち出し事件巡るトランプ氏起訴の取り下げ認める…2つの刑事裁判が終了
【ニューヨーク=山本貴徳】米連邦控訴裁判所は26日、トランプ次期大統領が1期目の退任時に機密文書を不法に持ち出したとされる事件の裁判で、検察側の申し立てに応じて、トランプ氏への起訴の取り下げを認めた。
司法省のジャック・スミス特別検察官が、現職大統領の起訴や刑事訴追は合衆国憲法で禁止されているとして、25日に起訴の取り下げを求めていた。
トランプ氏は、フロリダ州の邸宅に機密文書を持ち出したとしてスパイ活動法違反などの罪で2023年に起訴された。フロリダ州の裁判所は今年7月、スミス氏の任命手続きに問題があるとして起訴を棄却し、検察側が上訴していた。
トランプ氏はこの事件を含めて四つの事件で起訴されていたが、20年の大統領選の敗北を覆そうとして連邦議会占拠につながった事件に続き、刑事裁判が終了した。残る2つの事件についても、来年1月の大統領就任までに判決を確定させることは難しい見通しとなっている。