【望海風斗さんインタビュー】舞台とは違った歌の育て方をレコーディングで学びました
【Culture Navi】カルチャーナビ : 今月の人・今月の情報 舞台とは違った歌の育て方をレコーディングで学びました──望海風斗さん
宝塚歌劇団在籍時は、雪組トップスターとして華やかなビジュアルと歌声で多くのファンを魅了した望海風斗さん。退団後も『DREAMGIRLS』『イザボー』『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』など大作ミュージカルへの出演が続いている。今年アーティストデビューし、J-POPの名曲カバーにオリジナル楽曲を加えたファーストアルバム『笑顔の場所』をリリース。 「今回のアルバムは、私の“素の声”での歌をお届けするのがテーマ。カバー曲はすでに曲の印象が出来上がっているので、それに引っ張られそうになるところを、プロデューサーの武部聡志さんに導いていただきながら自分らしいスタイルを模索しました。アンジェラ・アキさん、GRe4N BOYZさん書き下ろしのオリジナル曲も、デモ音源ではそれぞれのアーティストさんが歌ってくださっていて、すでに曲の個性が決まっているように感じましたが、そこから何度も歌っていくうちに、だんだん自分の素の声で歌えるようになりました」 舞台やソロコンサートで歌唱力の高さは知られていたけれど、レコーディングは初体験。 「舞台では、お客様の前で歌うことで、曲が育っていく感覚があったんです。ミュージカルなら役の心情もあって、曲の輪郭がかなりはっきりしていますが、レコーディングの場合は、こちらが輪郭を提示しないといけない。そこはまったく違いましたね。それに舞台で歌うときは、表情や動きなど歌以外の情報量が、すごく多いですよね。でもレコーディングした楽曲の中にある情報は声のみ。よりシビアに自分の声にフォーカスして、声の終わりなど細部まで意識することを、レコーディングで学びました」 退団から3年、歌うためにボイストレーニングを続けている。効果を感じられたのは“のどの筋トレ”! 「やっぱり退化はしたくない、年々新たな発見をして進化していきたい。ボイトレを続けているのもその気持ちからです。3年続けてきて筋肉を鍛える大事さを実感しています。トレーナーさんから言われた部位を動かしているだけで、どこがどう鍛えられているのかわからないままだったのですが、最近になって、“声を出しやすくなってる!”と気づいたんです。去年初演し、今年再演する『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の同じ曲でも、歌いやすさが全然変わりました。やっぱり筋肉は裏切らないですね!」 『笑顔の場所』というアルバムタイトルだが、望海さんにとって「笑顔になれる場所」とは? 「友達と集まる場かな。話しているだけで笑顔になれます。それから晴れた日にひとりで出かける海も。天気がよい日は太陽を浴びるのを心がけているんです。ベランダに出るとか近所を散歩するとかでもいいんですけれど、海まで行けるとなおよし。潮の香りを感じながら、海と空の境界線を眺めて、ボーッという船の汽笛を聞いていると、今免疫力上がっている!という感じがします(笑)」 笑顔でいるには健康管理も重要。ロングラン公演も乗り切るための望海さんの相棒は、味噌汁! 「朝と夜は必ず作って飲んでいます。卵とソーセージとヨーグルトに味噌汁という、ちょっと不思議な組み合わせが私の朝の定番です」