実話が超怖い…実在の事件をモデルにしたと噂の日本のドラマ(4)殺害現場に赤ちゃんの泣き声が…犯人は未だ不明
毎年90本前後制作されている日本のドラマ。これまで制作されたものの中には、目を覆いたくなるような事件や凶悪犯罪をモデルとしたものも少なくない。というわけで、今回は、実際に起きた事件をモデルにしている日本のドラマを5本紹介。ストーリーと共に実話の内容も解説する。第4回。(文・編集部)
『呪怨:呪いの家』(2020)→名古屋妊婦切り裂き殺人事件
配信開始日:2020年7月3日 原作:清水崇 監督:三宅唱 脚本:高橋洋、一瀬隆重 キャスト:荒川良々、黒島結菜、里々佳、岩井堂聖子、仙道敦子、長村航希、安野澄、柄本時生 【作品内容】 1988年。心霊研究家の小田島は、オカルト番組で、新人タレントのはるかの心霊体験に聞き耳を立てていた。同じころ、母親のトラブルで転校を余儀なくされた女子高生の聖美は、級友たちとともに「猫屋敷」という空き家に肝試しに訪れていた。やがて、接点のなかった2つの物語は、この「猫屋敷」で、まるで運命の糸で導かれるように収れんしていく―。 【注目ポイント】 『夜明けのすべて』(2024)の三宅唱監督がメガホンを取った『呪怨』シリーズのNetflixによるドラマ化作品である本作には、日本のホラー至上屈指の恐怖シーンが登場する。それが、「妊婦の腹から電話の受話器」だ。 第4話では、主婦の真崎千枝が、呪いの家の持ち主であった灰田信彦と不倫をし、激高した夫の圭一に喉元を切り裂かれる。喉元を抑え込み、ソファに倒れ込む千枝。圭一は「助けなきゃ」とつぶやき、包丁を使って千枝が身ごもっていた胎児を取り出す。 その後、「呪いの家」の庭に胎児の遺体を埋めた圭一が再び家に戻ると、電話が鳴る。しかし、いつもあったはずの場所に電話はない。圭一が探していると、なんと、千枝の子宮の中から鳴っていることに気づく―。 聞くだけで身の毛のよだつ展開だが、この話、実は実際にあった事件がモデルとなっていることをご存じだろうか。それが、名古屋妊婦切り裂き殺人事件だ。 1988年3月18日。名古屋市のアパートに住むA氏は、臨月の妻を家に置いたまま出勤する。A氏は出産予定日を大幅に過ぎた妻を心配し、仕事の合間に電話をかけるが、元気そうな様子だったという。 その後、19時40分ごろに帰宅したA氏は、暗闇から赤ちゃんの泣き声が聞こえるのを耳にする。そして、「生まれたのか」と思いつつ居間の明かりを点けると、妻が変わり果てた姿で横たわっていたのだという。 捜査員が「あんな現場は今までに見たことがない」と言う現場は、実に凄惨だった。被害者は後ろ手に縛られた状態で、首にコードを閉められ、腹部は盾一文字にばっさりと切り裂かれていた。しかも、子宮には、取り出された胎児の代わりに、なんと電話の受話器やミッキーマウスのキーホルダーが詰め込まれていたという。 地元紙「中日新聞」が「史上稀に見る凶悪事件」と表現したこの事件は、その猟奇性からメディアなどで大きな話題となったものの、結局被疑者は見つからず、2003年に公訴時効が成立。真相は永遠に闇の中となった。 (文・編集部)
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