怒りとストレスで携帯電話を投げつける会社員続出…「つながらない権利」を軽視してきた会社を待つ「ヤバい末路」
いつ、どこにいても対応を強いられる会社携帯。日本のビジネスパーソンが「つながらない権利」を主張できない理由については、前編記事〈海外旅行中にかかって来た電話にも即対応…日本のサラリーマンが「つながらない権利」を主張しない理由〉で紹介した。後編記事では「つながる義務」を強いられている現場の悲鳴と、法的リスクについて紹介する。 【写真】検証!自宅の「固定電話」は、いる、いらない? 経済評論家が調べつくした
電話が鳴らなくても休んだ気がしない
会社員として私が働いていた頃、職場の同僚が突如、会社携帯を壁に向かって投げつけた。絶対的な防御力を誇るガラケーだったが、見事に粉砕。上司から理由を問われた問題社員は、「この前の休日も電話でグチグチ言われて、今日も言われたのでイライラした」と発言。 なんとも稚拙な理由だが、実は私も、人のことが言えない。なぜなら休日に電話が鳴った際、自宅のベッドのマットレスに向かって投げつけたことが何度かあるからだ。せっかくの休日に横槍を入れられた上、ああだこうだと文句を言われ、腹が立ったのである。 働く業界や仕事内容によって、勤務時間以外でも業務対応を迫られることは珍しくない。案の定、現場は悲鳴の声で溢れているようだ。本記事を執筆するにあたり、私は「つながる義務」に苦しむ方へヒヤリングを行った。特徴的だった回答をいくつか紹介したい。 ・26歳 男性会社員 「休日に鳴る電話より、平日早朝に叩き起こされる電話の方がエグイ。睡眠不足のまま出社し、何食わぬ顔で通常業務をこなすのもキツイ。いつ電話が鳴るのかわからない状況は非常にストレスフル。電話が鳴っても鳴らなくても、休んだ気がしない」 ・29歳 男性会社員 「新入社員が会社携帯をデスクの充電器に挿したまま退勤した際はイライラした。もし担当するお客様からトラブルの電話があったらどうするのか。ちなみに自分が会社携帯を置き忘れた際は、オメオメと会社へ取りに戻った」 ・33歳 フリーランス(筆者) 「夜中の24時に仕事の関係者からメールが来たときは『返信しなきゃ』といった強迫観念に襲われる。自分のやりたい仕事なのでまったく苦ではないが、相手の働き方が心配になる。加えて、仕事モードのスイッチが入るので、サウナから出た後だと自然と涙が出る」