<ザ・ファブル>興津和幸は“よく分からない男”佐藤明をどう演じる?
◇自然に 微妙な変化も
アニメは「装甲騎兵ボトムズ」「太陽の牙ダグラム」などの高橋良輔さんが監督を務める。高橋監督から説明はあったのだろうか?
「オーディションの時、各キャラクターに『こういう声をイメージしています』というメモをいただいたのですが、佐藤だけは『ちょっとイメージがつかめないので、苦労するかもしれません』と書いてありまして……。え!? じゃあ好きにやろう!となりました(笑い)。佐藤はやっぱり分からないんです」
怪しまれないようにする佐藤がコミカルに見えることもある。
「違和感があってはいけないと考えています。佐藤の中には、一貫した“何か”がある。よく分からないことが、この作品の面白さなので、やりすぎずに、“何か”を少し感じていただけるようにしようとしています。だから、僕ができることはあんまりないのかもしれませんね。よく分からない人間だけど、心は通っていて、プロでもある。そこをじわじわと印象づけたり、自然ににじみ出るようにしようとしています」
佐藤は普通の生活をする中で少しずつ変化していく。変化は“少しずつ”ということもあり、微妙な表現、ニュアンスが大事になりそうだ。
「本当に微妙に変化するんですよ(笑い)。ちょっとしたグラデーションを出そうとはしています。つかめない人にすることが大きいと思っています。すごく頭を使っています!」
◇そのまま佐藤として
沢城みゆきさんが“明の妹(仮)”の佐藤洋子を演じる。洋子は、圧倒的に酒が強く、超人的な記憶力を誇り、格闘能力も高い美女だ。
「沢城さん、すごいですよ。『私とは全然、似てない』と言うけど、美人ですやん!ってツッコんだり(笑い)。使命感がない人を演じることは難しいと思うのですが、すごく楽しそうなんですよね。洋子が出てくるとミュージカルを見ているみたいになって、空気が変わる。変なことを言っているけど、自然に聞こえるんですよね。美人の『ヒヒヒヒ』という笑いもすてきです」