独インフィニオン、船舶の電動化で韓国企業と協業 海洋輸送の脱炭素を推進
ドイツの半導体メーカー、インフィニオン・テクノロジーズと韓国造船海洋エンジニアリング(HD KSOE)はパワー半導体を使って舶用エンジンや舶用機械類の電動化に向け協力することになった。海洋輸送の分野で二酸化炭素(CO₂)削減は急務。インフィニオンはパワーモジュールやシステムソリューションの分野で韓国側に技術面で助言していく。 HD KSOEは、豪エネルギー企業ウッドサイド・エナジー、船舶運航会社の現代グロービスなどと共同で2022年から液化水素輸送船の建造計画を推進している。 この3社に商船三井がこの2月に加わり、プロジェクトが大きく動き出した。計画の船舶「LH₂」はアジアおよびその他の地域の液化水素サプライチェーン構築に向け建造され、タンク容量は8万立方メートル。2030年までの建造・運行開始が目標。 LH₂は水素を主な推進燃料とする計画で、運航時に排出されるCO₂は大幅に削減の見込みという。 パワー半導体を得意とするインフィニオンのグリーンインダストリアルパワー(GIP)事業部門プレジデント、ピーター・バーウァー氏によると、HD KSOEは長年パワー半導体で実績のある同社に着目、船舶電動化のための中核部品をHD KSOEと共同で開発することになった。 HD KSOEの最高技術責任者(CTO)チャン・クウァンピル氏は「当社の技術的強みとインフィニオンのパワー半導体の技術でCO2排出削減に貢献したい」と語っている。
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