盗塁で大切なのはスタート。いくら足が速い選手であろうと簡単には成功できない【張本勲の喝!!】
3人の快足ランナー
オリンピック選手だった飯島。代走専門で117試合に出場し、23盗塁を記録した
読者の方からすると「張本勲」と言えばバッティングのイメージが強いと思う。通算3085安打は日本プロ野球記録でもある。 一方で足も速かった。通算で319盗塁は歴代でも上の部類ではないか(26位)。調べてみてもらったところ、東映に入団した1959年から74年まで16年間連続で2ケタ盗塁、プロ5年目の63年には自己最多の41盗塁を記録している。自分としても足には大いに自信があった。もっと「走れ」のサインが出ていれば数字を積み上げられたと思うが、主に三番、四番を打っていた私には出塁しても「走るな」というサインのほうが多かった。 私の生涯打率は.319、本塁打は504本、319盗塁だが、この3つの数字に関しては非常に誇りに思っている。3割、500本、300盗塁を達成した選手は、私のほかにはメジャー・リーグのウィリー・メイズ(ジャイアンツほか)しかいないからだ。メイズは打率.302、660本、338盗塁。メジャーでは“コンプリート・プレーヤー”と言われ、私も彼を史上最強選手の一人だと思っている。 そもそもホームランも打てて足もある選手というのは、なかなか存在しない。足の速いヒットメーカーはたくさんいるが、それだけ難しいということだろう。だからこそこの記録には大きな価値があると思う。 その中で今回は盗塁をテーマに考えてみる。以前にも書いた覚えがあるが、足の速い選手と聞いて私が思い出すのは3人だ。広瀬叔功さん(南海)、福本豊(阪急)、そして・・・
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週刊ベースボール