朝乃山、7月場所復帰 「出るからには優勝したい」
●石浦引退相撲で1カ月ぶり土俵、大の里と取組 大相撲の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は1日、東京・両国国技館で、約1カ月ぶりに公の舞台で相撲を取った。夏場所では約3年ぶりの三役復帰となったが、場所直前に右膝を負傷して全休。朝乃山は名古屋場所(7月14日初日・ドルフィンズアリーナ)への出場を明言し「出るために全休した。出るからには優勝したい」と静かに闘志を燃やした。 昨年6月に現役引退した元幕内石浦の間垣親方(本名石浦将勝、鳥取県出身、伊勢ケ浜部屋)の引退相撲に参加した。 夏場所で所要7場所の史上最速での幕内優勝を果たした大の里(石川県津幡町出身、二所ノ関部屋)との取組が組まれ、寄り切りで敗れた。夏場所では東西の小結として並んだが、大の里は優勝、朝乃山は全休と対照的な結果。本場所での対戦経験はなく「当たってみたい」と意欲を見せる。 朝乃山は4月25日の春巡業で負傷。「右膝関節内側側副靱帯(じんたい)損傷により、約3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して場所を全休した。久しぶりに土俵に上がった朝乃山の右膝にはがっちりとテーピングが施されていた。 膝の状態については「順調に回復している。稽古場にも下りている」と語るも、まだ相撲を取る稽古は始めていない。「違和感はない」とするが、けがをして1週間ほどはギプスを施していたため、右足の筋力も落ちた。 名古屋場所に向けては相撲勘を取り戻すため「徐々に上げていく」と気合を入れる。名古屋入りして以降、出稽古も検討するとし「相撲を取ってみてからじゃないと」と様子を見ながら稽古を本格化させる方向だ。 場所中はテレビで大相撲中継を見るたび「余計に闘いたい気持ちになった。悔しかった」と振り返る。元大関の30歳は「前の番付があるので、勝たなきゃいけない気持ちがある」と覚悟を示し、主役の座を狙いにいく。