2回KO勝ちした力石政法（左）とリングサイドで応援した矢吹正道

プロボクシングの61キロ契約10回戦が17日、東京・後楽園ホールで行われた。IBF世界スーパーフェザー級3位の力石政法（30）＝大橋＝が、前フィリピン同級王者のアルネル・バコナヘ（30）＝フィリピン＝に2回2分38秒KO勝ち。LUSH緑ジムからの移籍後初戦での世界前哨戦に圧勝した。大橋ジムの大橋秀行会長（59）は次戦での世界初挑戦を目指して交渉する意向を示した。 1回は右の強打を振ってくるバコナヘに対して、冷静に対応し、右フックを効かせたがスリップダウン判定に。2回にはカウンターの左ボディーから右フックをフォローして、バコナヘに10カウントを聞かせた。 勝利者インタビューでは「名古屋から世界チャンピオンになるために大橋ジムに移籍しました力石政法です」とあいさつ。「ちょっと見過ぎちゃったんですけど、結果オーライ。倒したパンチも手応えがなかった」と振り返った。 世界初挑戦を見据えて7月に大橋ジムへ移籍。日本最高レベルの環境で練習を積み「移籍して本当に良かった」と充実した日々を送っている。兄で元WBC世界ライトフライ級王者の矢吹正道（32）＝LUSH緑＝が、12日に愛知県国際展示場で、IBF世界同級王者だったシベナティ・ノンシンガ（25）＝南アフリカ＝に挑戦し、9回TKO勝ち。世界王座に返り咲いた。セコンドに入って兄のサポートをした力石は「変な試合をしてられない」と大いに刺激を受けてリングに上がった。 大橋会長は「次にでも。そのつもりで（交渉を）やっています」と次戦での世界初挑戦にゴーサイン。力石は「一発で必ず（世界王座を）取ります」と宣言した。 興行は動画配信サービスのLeminoで午後5時45分から無料生配信された。プロ戦績は力石が17戦16勝（11KO）1敗、バコナヘが26戦17勝（12KO）9敗となった。（尾﨑陽介）