住友ファーマの米子会社、傘下の難病治療薬の開発企業の全持分を譲渡
(ブルームバーグ): 住友ファーマは22日、米子会社が保有する米スピロバント・サイエンシズ(Spirovant Sciences)の全持分を譲渡したと発表した。住友ファーマは2024年3月期(今期)の最終損益が1410億円の赤字となる見込みで、経営の効率化を急いでいる。
発表によると、スピロバントの経営陣が新たに設立した会社に譲渡した。同社は嚢胞性線維症という難病の治療薬を開発している。経営資源を効率的に運用することなどを検討した結果という。なお譲渡額は公表されず、連結業績への影響は軽微としている。
同社はパーキンソン病に伴うオフ症状治療剤「キンモビ」に係る特許権の減損損失の計上などで、2024年3月期の最終赤字は前期の745億円から大幅に拡大する見込み。収益性の改善が喫緊の課題となっている。
また同社は15日に大塚製薬と共同開発中の精神神経領域の新薬候補についても開発・販売提携に関するライセンス契約を改定すると発表した。開発優先品目を見直し、現行の中期経営計画で上市が期待できる領域に注力するため、開発中の「ウロタロン」などの開発を大塚製薬に委ねるとした。
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Grace Huang