１６年２月の春季キャンプで張本勲氏（右）と話す坂本

◆ＪＥＲＡ　セ・リーグ　巨人２―１ＤｅＮＡ（１４日・富山） 　巨人ＯＢで、歴代最多の通算３０８５安打を誇る張本勲さん（８３）＝野球評論家＝が、安打数でＮＰＢ単独１３位に浮上した坂本を「大あっぱれ」と祝福し、史上２人目の３０００安打達成に期待を寄せた。（構成＝内田　拓希） ＊　＊　＊　＊　＊ 　坂本君、本当におめでとう。川上さんは打撃の神様と呼ばれる方で、彼にとっては巨人の大先輩だから。大光栄じゃないでしょうか。私の記録を抜くよりもうれしいと思うよ（笑い）。文句なしの「大あっぱれ」です。 　固め打ちが非常に多いよね。猛打賞はタイトルに表れない、好打者の「勲章」なんですよ。いい打者になればなるほど、相手も研究して打たせてくれないから。その上を行かなくちゃいけない。坂本君は大打者になった今でも、相手に合わせて打席の中で足を上げたり上げなかったり、工夫をしている。人のまねではなく、まねできないような形を作り上げて打っているように見える。ここまで安打を積み上げられた理由じゃないかな。 　２年目からレギュラーで出ているというのは実力、才能だね。私も、１年目の開幕戦は第１打席で阪急の米田哲也さん相手に直球３球で三振でしたから。１０代から活躍することの難しさは、よーく分かってますよ（笑い）。あとは長く続けるための体調管理だね。これが一番、難しいんだ。これからは、もっともっと自己管理をしっかりして、現役をできるだけ長く続けてもらいたい。それが彼に贈る言葉です。 　今年から本格的にサードへ転向したけれど、ポジションは関係ないでしょう。内野ならどこでもできる選手だから。守備範囲がちょっと狭くなったかなという感じでサードに変わったと思うけど、それでいいと思いますよ。 　通算３０００安打まであと６４８本か。坂本君ならできるかもと思っているよ。行ってもらいたいわな。そこまで応援したいよ。（野球評論家・張本勲）