天皇陛下のために作られた御料車「日産・プリンスロイヤル」。日本初のリムジンのこだわりが凄い【歴史に残るクルマと技術032】
日産・プリンスロイヤルには御料車ならではのこだわりが満載
国内最高峰の御料車は、3ボックス型の側面ウィンドウが3分割された6ライトで、縦目4灯ヘッドライトを装備。そのボディサイズは、全長6155mm/全幅2100mm/全高1770mm、ホイールベース3880mmの巨大ボディのリムジンで車重は3200kgに達し、防弾仕様はさらに重くなっていた。 ちなみ大型乗用車グロリアのサイズは、全長4380mm/全幅1675mm/全高1535mm、ホイールベース2535mm、車重1360kgなので、日産・プリンスロイヤルがいかに大きいかがよく分かる。インテリアは、運転席と後部客席の間にガラス製のパーテンションを備え、侍従用の補助2席もある8人乗り。室内はほぼ手作りで、可能な限りの最高級の品質を追い求め、全席は革張り、貴賓席には最高級の毛織物が使用された。 パワートレインは、専用開発された最高出力260PSを発生する6.4L V8 OHVエンジンと、GM製3速ATの組み合わせ。駆動方式はエンジン縦置きのFRで、サスペンションは前がダブルウィッシュボーン、後が半楕円リーフで吊った固定軸、ステアリングはパワーアシスト付きのリサーキュレーティング式だった。 御料車として5台、国賓級の送迎車として2台の計7台が作られ、もちろん市販化はされていない。
日産・プリンスロイヤルの後を継いだのは、トヨタ「センチュリーロイヤル」
日産・プリンスロイヤルは、1967年に納入されて以来、約40年間、昭和および平成の天皇・皇后陛下の公務で使われた。しかし、長期の使用による老朽化や部品交換が難しくなったことから、2000年を迎える頃には最新化が検討され始めた。 当然後継車も日産が担当すると思われたが、当時の日産はルノーと提携して経営再建中、しかも御料車に使用できるベースのシャシーが存在しなかったことから、日産は納入を辞退して、日産・プリンスロイヤルは御料車としての長い役目を終えたのだ。 そこで後継車として選ばれたのが、トヨタ「センチュリー」だった。トヨタの技術を結集して製作された御料車「センチュリーロイヤル」は、先代に負けない豪華さと先進技術満載のリムジンに仕立てられ、2006年に納入されて現在も活躍中だ。
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