関ジャニ∞、現名義最後のシングルで首位獲得年数歴代3位へ 「アンスロポス」は今こそ聴くべき人間賛歌
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2024-02-05/ 2024年2月5日付(1月30日発表)のオリコン週間シングルランキングでは、関ジャニ∞の『アンスロポス』が初週推定15.9万枚を売り上げて初登場1位を獲得。前作『オオカミと彗星』の初週売上を約4000枚上回った。また、関ジャニ∞の同ランキング1位は、『Wonderful World!!』から37作連続通算45作目(エイトレンジャー名義作品を含む)となり、「シングル1位獲得連続年数」ではKinKi Kids、B'zに続く歴代単独3位に進出(※1)。通算50枚目のシングルにして、デビュー20周年イヤー突入を華々しく盛り上げる結果となった。 【写真】演奏シーンが魅力の関ジャニ∞「アンスロポス」MV 本作『アンスロポス』表題曲は現在放送中のテレビアニメ『め組の大吾 救国のオレンジ』(読売テレビ・日本テレビ系)のオープニング主題歌。作詞・作曲はシンガーソングライターのキタニタツヤで、原作の世界観を折り込み書き下ろした。メンバー全員による力強い咆哮から始まる本作は、関ジャニ∞の真骨頂とも言える王道のバンドサウンドが冴えるロックナンバー。ギター&ベースが静かな躍動を感じさせるAメロ、美しく繊細なメロディ緊張感を高めるBメロ、そして全員で渾身のシンガロングをキメるサビと地に足の着いた構成の妙で、聴く者の胸を揺さぶる。重厚かつテクニカルなバンド演奏もさることながら、やはり耳を奪われるのは、メンバーそれぞれのボーカルだろう。安田章大は伸びやかで安定感のある声、横山裕は繊細かつ調和を司る声、村上信五は軽やかかつ瞬発力に富み、丸山隆平は高音域もブレない強さを持つ。そして大倉忠義は切なく表情豊かに楽曲を彩る。全員が主役になり、全員で積み上げていく、まさに関ジャニ∞そのものの姿が楽曲の中で一体化している。
「関ジャニ∞」名義としてシングルをリリースするのは本作が最後
タイトルの「アンスロポス」は、ギリシア語で「見上げる人=人間」を表す言葉だという。『め組の大吾 救国のオレンジ』は、消防組織の中の精鋭部隊「特別救助隊」を目指す若き消防官を主人公にした青春と成長の物語だが、同時に人間の崇高さや命をかけて大切なものを守ろうとする覚悟を描いたドラマでもある。そんな壮大なテーマを背負った作品にふさわしく、楽曲全体からは懸命に日々を戦う人を鼓舞するような、高みを目指す人を祝福するような“熱”が放出されているのを感じることができるだろう。本作のリリースに向け、関ジャニ∞は、主人公・大吾の持つ情熱に感銘を受けたことに触れつつ、「僕ら関ジャニ∞のパフォーマンスもまた、彼らと同様にあたたかな光となり、傷ついた誰かの「顔を上げる」一助になればという思いで歌わせていただきます」とコメント(※2)。物語と楽曲、そして表現者である関ジャニ∞、三者の共鳴が、この時代にこそ聴かれるべき人間賛歌を生んだのだ。 楽曲を提供したキタニは「この曲がライブで演奏される日、沢山の声が重なる光景を心待ちにしています」とコメントを寄せているが(※3)、まさに本作はライブでこそ映える1曲だと感じる。ステージに向かうすべての人が、メンバーと共に拳を突き上げながら咆哮する様を想像するだけで、身震いしてしまうのは筆者だけではないはずだ。一方で彼らは、2024年2月4日に新たなグループ名への変更を予定。「関ジャニ∞」名義としてシングルをリリースするのは本作が最後となる。長年共に歩んだグループ名と決別し、新たな道を歩く決意にも思いを馳せながら聴くと、また違った感慨が湧いてくる。〈昨日を捨て、明日を征け〉。歌詞に綴られた潔い言葉をお守り代わりに、5人には信じる道を進んでいってほしい。 ※1:https://www.oricon.co.jp/news/2312434/full/ ※2、3:https://tatsuyakitani.com/news/1359/
渡部あきこ