「副業」サイトで現金詐取容疑、26人を逮捕 被害総額20億円超か
副業の募集をうたうサイトを運営し、利用者に「悩みの相談に乗れば報酬がもらえる」などと持ちかけ、報酬を支払うための費用の名目で現金をだまし取ったとして、警視庁は千葉県市川市真間1丁目、職業不詳の鈴木一樹容疑者(48)ら20~50代の男女26人を詐欺などの疑いで逮捕し、11日に発表した。認否は明らかにしていない。 【構図】「副業」詐欺の仕組み 警視庁によると、鈴木容疑者らが運営するサイトに絡んで現金をだまし取られた人は2021年1月~23年9月に約8600人おり、被害総額は約20億円という。 ■「報酬を支払うのに専用回線を」現金要求か 犯罪収益対策課によると、鈴木容疑者らは共謀して23年7~9月、運営する「副業」サイトに登録した40代の女性に対し、正規会員登録と回線設置費用などの名目で現金40万7千円をだまし取るなどした疑いがある。 グループは、運営するサイトを訪れた利用者に「相談に乗ったら報酬がもらえる」などと持ちかけ、40万~50万円の報酬を提示。その後、報酬を受け取るには有料の専用回線の設置が必要などとし、サイト内で使う「ダイヤ」と呼ばれる通貨を購入するよう求めていた。 女性は求められた代金を支払ったが、その後も「回線をつなぐときにトラブルが発生した」などと言われ、解決費用などの名目で追加で請求され続けていた。 同課は、鈴木容疑者らがサイトで相談者を装ってメールを送る「打ち子」や、だまし取った現金を引き出す「出し子」などとみている。他にも事件を計画し、指示した人物らがいるとみて調べる。(三井新、福冨旅史)
朝日新聞社