名品「MICHAEL」の歴史と「CHAMBORD」の人気から見る「Paraboot(パラブーツ)」が選ばれる理由
チロリアンシューズの名作として現在も高い人気を誇っています。本来のチロリアンシューズは山岳、民族的要素の強いデザインですが、MICHAELはそういった部分をシンプルに仕上げ、デイリーな洋服にも合わせやすくなり、世界中へ浸透していくこととなりました。 レザーはリスワクシーレザーといいまして、リスレザーが表革、ワクシーがワックスの意味です。この革にもこだわりがありまして、ワックスの含有率が通常の革に比べると高く、耐久性、耐水性に優れ、履き馴染みが良く、独特な光沢感があります。
MICHAELはいまだにMADE IN FRANCEを守り続けているモデルで、底付けはノルヴェイジャンという製法で作られています。アッパーとソールの間にL字ウェルト(L字型の革)が入っていて、まずアッパーとウェルトを横向きに縫って、その後ウェルトとアウトソールを縫い合わせるような製法になっています。このL字ウェルトによって水の浸入などがしづらくなります。ソールは自社生産のマルシェⅡというモデルのものがついています」
「MICHAELはスタンダードなモデルの他にも甲部分にアザラシの毛皮をあしらったモデルが有名ですが、現在は作っておらず、今シーズンはレースアップではなくモンク仕様で、甲にラビットファーを用いたものがラインナップされています。
MICHAELはフランスでもアイコニックな存在なので、毎シーズン素材を変えるなどしていろいろなモデルがリリースされます」
日本で一番人気のモデル「CHAMBORD(シャンボード)」
MICHAELに続きもうひとつ「CHAMBORD(シャンボード)」という靴を紹介したい。日本とイタリアで人気のアイテムで、特に日本では一番人気のモデルとなっている。
「Parabootが長年U-TIPを作り続け、1987年、CHAMBORDが誕生します。Uチップの靴はフランスでも昔から作られているポピュラーな形ですが、このCHAMBORDはその中でも代表的な存在の靴と言っていいと思います。 “拝みモカ”と呼ばれる、モカシン部分の革をつまんで縫う製法を採用し、革靴のデザインの中でも、カジュアルなものなので、ジーンズからスラックススタイルまで幅広く使える汎用性の高いデザインで、定番アイテムとして今日まで作り続けられています。
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