UKのエレクトロニック・プロデューサー“ツーリスト”、新曲「Valentine」発表 アルバムのリリースも
サム・スミスのヒット曲「Stay With Me」の共作者としてグラミー賞を受賞した英ロンドンのエレクトロニック・プロデューサー、ツーリスト(Tourist)が、自身のレーベル「Monday Records」より、2024年初となるニュー・シングル「Valentine」をリリース。あわせて、5枚目のアルバム『Memory Morning』を4月19日(金)ににリリースすることを発表しています。 新曲「Valentine」は、「EST」、「Second Nature」、「A Little Bit Further」に続くニュー・アルバムからの先行シングルで、分断されたヴォーカルを使った、自然に流れるようなプログレッシヴハウスを展開。既発の3枚のシングルと同様に、アトモスフェリックなサンプルをベースに、哀愁漂うヴォーカルで「あなたの愛を十分に得られるだろうか?」と歌われます。11年に及ぶ音楽キャリアを懐に、メランコリックなアンビエントハウスの巨匠としての本領を見事に発揮しています。 ツーリストは、同曲について「この曲はジェレミー・スペンサー・バンドの『Travellin’』にインスパイアされたもの。こんなふうにインスピレーションが爆発するのは、めったにないことです。ボーカルパートだけを取り出したコーラスは、まるでニュー・オーダーのようでした。完成したトラックは、今まで聴いたことがないような感じでありながら、懐かしさもあり、二面性を持っていました」とコメント。このノスタルジアと幻惑的な方向性は、4月19日(金)にリリースされる5枚目のアルバム『Memory Morning』にも象徴されており、前作までのアルバムとは非常に対照的な作風となっています。 ツーリストは「『Memory Morning』は、書いていくうちに形になったアルバムです。どこから手をつけたものか、まったく手掛かりはなく、それが開放的であると同時に困難でもありました。私の音楽は、人生のある出来事にインスパイアされることが多くありますが、このアルバムは私の想像力の中に生きており、そこから生まれたものです。皆をどこかへと誘ってくれるような曲を作りたいと思っていました。聴く度に新しい発見があり、独自の世界をもった“場所”のようなアルバムです。私が受けてきた影響の全てが反映されている、と初めて思える作品です。私はポップを愛する傾向があり、『Memory Morning』にもその本質が見えるはずです。基本的には夢や記憶、その間にあるさまざまな経験にインスパイアされたアルバムであり、音楽を通しての方が上手く表現できることもあるのです」と語っています。 アルバム『Memory Morning』には、ツーリストの音楽マップをいっそう大きく押し広げる全10曲を収録。スロウダイヴ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、コクトー・ツインズ、ビーチ・ハウスなどを愛し、シューゲイザーやサイケデリックミュージックの虜となり、彼にとっての“完全たるヒーロー”=ザ・アヴァランチーズや、アカデミー賞をはじめ多数の賞を獲得した映画『aftersun アフターサン』のコラージュ的ノスタルジアにインスパイアされて制作されました。赤裸々な実体験の告白調からは距離を置き、ムードや直感に重点を置いたエレクトロニック・ソングへと移行。ピアノがうねるオープニングの「Lifted Out」から、ヴァンゲリス風シンセの「Ithaca」、脈打つハウスビートの「Crush」まで、多彩なソニックワールドを飛び交いながら、各トラックが独自の投入感をもった夢のようなサウンド空間を生み出しています。