「インバウンドは日本の文化を共有したい」着物姿で地酒を楽しみ伝統芸能で交流 城下町の挑戦
外国人観光客がコロナ禍前を上回る勢いで急増しています。大分県内の中でもインバウンドが多い別府や湯布院に続こうと、臼杵市では新たな観光ツアーをつくる試みが始まりました。 【写真を見る】「インバウンドは日本の文化を共有したい」着物姿で地酒を楽しみ伝統芸能で交流 城下町の挑戦 ■「USUKI ベニュー」とは 臼杵市中心部にある老舗しょうゆ店には、商品を品定めするツアー客の姿がありました。みなさんは大手旅行代理店の関係者や、県内の学校で働く外国語指導助手たちで、臼杵市が企画した新たな観光ツアーの実証事業に参加しました。 今回、市が立案した観光コンテンツの名前は「USUKI ベニュー」で、直訳すると「臼杵会場」と言う意味です。今の観光資源に加えて臼杵で活躍する「人」、それに「特別感」を組み合わせたツアーを目指すもので、ターゲットはもちろん外国人観光客です。 (臼杵市産業観光課・桑原友美さん)「臼杵市としても外国人観光客の取り込みは重要です。別府・湯布院が多いので、少し足を伸ばして臼杵まで来てくれるような魅力あるコンテンツを作っていくことが大事」 今回の実験では「体験」に焦点を当てたコースを設定しています。ツアー客は寺で住職から座禅のコツや心構えについて学んだほか、老舗の着物店では思い思いに選んだ柄の和服をレンタルするなど、日本の伝統や文化に触れていました。 ■「インバウンドは日本の文化を共有したがっている」 ツアーの目玉となる交流会の会場は、国の登録有形文化財に指定されている「稲葉家下屋敷」です。通常は飲食ができない上に、普段、人が立ち入れない時間帯にあえてパーティを開きました。 この会の特徴は地元の人たちとの交流です。市内の伝統芸能の獅子舞・祇園囃子の披露と臼杵産の野菜を使った料理や地酒が花を添え、ツアー客は臼杵ならではの特別感に酔いしれていました。 (参加者)「外国人観光客は日本の文化を共有したがっているので、とても良いアイデアだと思う」「すごく楽しかった。臼杵は『う好き』だから、みんな好きになると思う」
(臼杵市産業観光課・桑原友美さん)「とても興味深く体験してもらえたのではと思う。さらにコンテンツに磨きをかけてインバウンドをさらに取り込んでいければ」 臼杵市は今回の実証事業の参加者からヒアリングなどを行い、改善点をまとめることにしていて、来年度中のツアー開始を目指しています。
大分放送