阿武隈急行の維持、議論進まず 福島県側は方針一致、宮城県側は態度保留
予算編成に影響
第6回会合は近く開催される見通しだが、担当者は「宮城県側の方向性を示す段階に至らないと思う」と明かす。来年3月の検討期限については「進めてみないと何とも言えない」とし、延長の可能性を示唆した。 各自治体の25年度予算編成は秋に本格化する。検討会で扱う項目には「鉄道かバスか」という大前提のほかに「(老朽化した)車両の更新数」もあり、議論の行方は必要な予算規模を大きく左右することになる。福島県生活交通課の担当者は「阿武隈急行は住民の日常生活にとって大切な路線だ」と強調。「経営は厳しく、議論が長引くほど自治体の負担も増す。方向性を決め、利用促進などを含む改善策を講じなければならない」と述べた。 ◇ 阿武隈急行 福島―槻木間の54.9キロを24駅で結び、福島県と宮城県が約4分の1ずつを出資する第三セクター鉄道。利用客は1995年度の325万人をピークに、2021年度は170万人と半数近くまで落ち込んだ。19年の東日本台風や21、22年の本県沖地震で被災するなど、度重なる復旧費も課題となっている。
福島民友新聞