マキロイは「左手かなりストロング、右手ややウィーク」。プロでも全然違うけど「自分に合ったグリップ」の見つけ方は?【ゴルフメカニクス研究所 #11】
ゴルフに関する様々な理論に精通するインストラクター・大庭可南太が、PGAツアープレーヤーのグリップから、アマチュアにとっての最適なグリップの見つけ方を紹介する。
こんにちは。ゴルフインストラクターの大庭可南太です。さて今週からJLPGAツアーも開幕を迎え、海外PGAツアーではいくつかの高額賞金大会から4月のマスターズへと、2024シーズンも本格化してきました。 今回の記事では、ツアープレーヤーのグリップに注目してそのトレンドをお伝えするとともに、アマチュアプレーヤーにとっての最適なグリップについても考えてみたいと思います。
ツアープレーヤーのグリップ
ゴルフはクラブを持たないことには始まりませんので、グリップが重要であることは間違いないはずです。しかし、そのプレーヤーの理想とする弾道、体格から手の長さや、手の形や指の長さなど、さまざまな要因が関係するため、「これが最高のグリップ」というものを定義することはできません。 とはいえ、まずはPGAツアーのトッププレーヤーがどのようなグリップをしているのかローリー・マキロイから見ていきましょう。 ちなみにグリップにおける「ストロング」と「ウィーク」という表現ですが、左手の甲が上を向くほど「ストロング」で、甲が目標方向を向くほど「ウィーク」になります。 本来グリップというのは左右の手のひらが“互いに向き合う形”が自然な状態なので、右手は反対に甲が地面方向を向くほど「ストロング」になり、目標の後方を向くほど「ウィーク」になります。
マキロイ選手の場合では、左手はかなりストロング、右手はややウィークとなります。続いて世界ランク1位のスコッティ・シェフラー。
シェフラー選手は、左手をややストロングで、右手はほぼ標準的にしていますが、このくらいのグリップが最近の選手のなかでは平均的ではないかと思います。さらにジョン・ラームを見てみましょう。
ラーム選手の場合は、左右どちらもかなりウィークなグリップといえます。このグリップで、左手首をいわゆる「掌屈」させてフェースを閉じた状態で使うことでフェードボールを打っていく選手です。そしてPGAツアーでのアジア勢の勝利数を更新した松山英樹選手を見てみましょう。 我らが松山選手ですが、前回の記事でも紹介した通り最近の選手のなかでは左手のグリップはかなりウィークです。最近はドローボールを打つ場合もありますが、基本的にはフェードボールを主体とする選手です。 これらトップ選手のグリップを見ていくと、左手のグリップに関してはストロングな選手もいればウィークな選手がいる一方で、右手グリップをストロングにしている選手はあまりいないということになります。 ドローとフェードについては、グリップだけではなく、スタンスの向きやボール位置によっても調整が可能ですので、プロは状況に応じてそれら要素を変化させて対応しているということになります。
【関連記事】
- 松山英樹のショートゲームが強い理由。アイアンショットに見る、世界レベルの「フェースを開いて閉じる」動き【ゴルフメカニクス研究所 #10】
- 「ヘッドの最下点」で考えるアイアンとドライバーの違いとは?【ゴルフメカニクス研究所 #9】
- イヤな状況から“ベストリカバリー”するためのクラブを持ってますか? スコアメイクのためのセッティングをフィッターと考えた!
- 米下部ツアーに挑戦する馬場咲希やルーキーの髙木優奈と稲垣那奈子。"教え子たち"の人に依存しない力とゴルフへの向き合い方【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯53】
- パー3のティーショットマネジメント。グリーン両サイドに配置されたバンカー、左右どちらを優先して避けるべき?【初心者を脱したゴルファーが『100』を切るためのレッスン】