施政方針演説 農業への言及は 首相「抜本的に見直す」
”農政の憲法”改正 改めて表明
岸田文雄首相は30日、衆参本会議で施政方針演説に臨んだ。食料・肥料の需給変動や環境問題、急激な人口減少に伴う担い手不足といった課題の克服へ「農政を抜本的に見直す」と宣言。農政の憲法とされる食料・農業・農村基本法について「制定から四半世紀を経て初の本格的な改正を行う」と表明した。 首相は演説で、基本法改正に加え、①不測時の食料安全保障の強化②農地の総量確保と適正・有効利用③食品原材料の調達安定化④スマート農業の振興──の関連法案を提出する方針を表明した。政権が重視する農業のグリーン化や農林水産物・食品の輸出拡大への意欲も改めて示した。 「地方が支える農業は国の基だ」と強調。農家に寄り添うとし、「前向きな取り組みを後押しする農政を展開していく」と訴えた。 石川県で震度7を観測した能登半島地震を巡っては、「復旧・復興支援本部」を新設すると表明。「被災者の帰還と被災地の再生まで責任を持って取り組む決意だ」と述べた。 「日本経済の最大の戦略課題はデフレ完全脱却だ」とし、「物価高に負けない賃上げ」や中小企業の労務費上昇分の価格転嫁の実現などに意欲を示した。
日本農業新聞