顔の見える関係づくりを 「地域活動の日」講演会で先行事例学ぶ【宇部】
あらゆる世代の市民が地域活動に参加しやすい環境を整える宇部市の取り組み「地域活動の日」への理解を深めてもらおうと12日、市多世代ふれあいセンターで講演会が開かれた。市民ら140人が「チイキのチカラを活用するために」をテーマにした講演に耳を傾け、支え合いつながり続ける地域づくりに必要なことを学んだ。市主催。 市が毎週水曜を「地域活動の日」として取り組み始めて約1年。見えてきた課題を共有し今後の活動の参考にしてほしいと開催した。講師は、全国で地域資源を生かした観光振興などの企画コンサルティングなどを手掛けるフォーティR&C(東京都中央区)の水津陽子代表が務めた。 全国的に、少子高齢化や単身・共働き世帯の増加、高齢者の就業率上昇といった社会情勢やライフスタイルの変化により、自治会活動の存続が〝崖っぷち〟となっている現状を解説。将来の担い手として、若い世代や働く世代に参加してもらうためにできることなどを話した。 従来通りの運営を見直し、その世代のニーズに沿った魅力的で意義のある活動をしていく重要性について語った上で、負担軽減や分散化に向けた見直しのチェック項目も示した。 千葉県海風の街自治会をはじめとする全国の先進的な活動事例も紹介し「自治会の最大の役割は、地域で顔の見える関係をつくること。これから求められる令和のコミュニティー、共助の在り方を見詰め直しながら活動を転換していくことが大事」と呼び掛けた。 市では、持続可能な仕組みの構築を目指し、地域活動に興味を持っていない人、関わったことのない人に向けたアプローチを進めていく。講演後には、24地区の各役員らと水津代表の意見交換会もあり、各地区が抱える悩みについて相談した。