恋愛と肌の調子の関連性、皮膚科医が科学的に説明
皮膚科が専門のニコール・ヘア医師は長年、診察する患者たちの肌を見るだけで、その人に新しい恋人ができたのか、いろいろなことが順調なのか、推測することができたという。 「超能力があるわけではないですよ」いうヘア医師は、「ただ、わかるのです。そして、それはオキシトシン(幸せを感じるときに分泌されるホルモン)のためだと思っていました」と話す。 だが、そう主張するには、それを裏付けるだけの十分なだけの証拠を集める必要がある。そう考えたヘア医師は、試験的な調査を実施。48歳から61歳までの女性6人のオキシトシンレベルを計測し、それぞれ年齢の平均的な肌の美しさ、健やかさと比較した。
そして、その結果についてヘア医師は、「結果は驚くべきものでした。年齢にも、日焼けの程度にも関係なく、オキシトシン量が多い人ほど、より肌が美しく、健康的な状態でした」と明らかにしている。
オキシトシンと「ゾンビ細胞」
この「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンは、強力な抗酸化物質。さらにそれだけではなく、体内に存在する「ゾンビ細胞(老化細胞)」による破壊的な影響を阻止する、素晴らしい能力を持つという。 「ゾンビ細胞」は、まるで働き疲れた“従業員”たちのように、最終的には十分に働くこと(細胞分裂)をやめ、引退すべき(除去されるべき)ときを迎える。だが、なかには半死半生のゾンビのような状態まま、そのまま(皮膚のなかに)とどまるものもある。 それらが「ゾンビ」細胞と化して、シワや血色の悪さ、くすみ、ニキビなど、さまざまな問題の原因である炎症性物質をまき散らすことになる。そして、さらに恐ろしいことに、ゾンビ細胞は周辺の健康な細胞もゾンビ化し、肌にダメージを与える破壊的な活動に加担させるという。
オキシトシン量は増やせる
だが、これについてヘア医師は、「オキシトシンは老化細胞の受容体と結合し、ダメージを与える活動を阻止するのです」と説明する。 つまり、ストレスに対する“解毒剤”であり、満足感や心の落ち着きをもたらすオキシトシンは、ゾンビ細胞による悪影響も、抑制することができる。そして、さらに健康な細胞がゾンビ化することも、防ぐことができるという。 皮膚科のモナ・ゴーハラ医師は、「ストレスは細胞のゾンビ化に深くかかわっている」と指摘する。ストレスを受けたときに分泌されるホルモン、コルチゾールは抗炎症作用を持ついっぽうで(過剰分泌されると免疫力を低下させ)、肌の乾燥や過敏性、小じわや酒さ(赤み)、湿疹などを引き起こすことがわかっている。 そのほかヘア医師によると、オキシトシンのメリットには「ポジティブ・フィードバック・ループ」があるという。 「社交的で平和的な人であるほど、オキシトシン・レベルは高くなります。そして、オキシトシン量が多いことは、その人をより人間的な温かみのある人にします。そのため、その人の社会的な交流は、さらに増えることになります」 ヘア医師の調査によれば、そのような人たちは、肌の状態もより健康的だったという。