韓国大統領、戒厳令謝罪も辞任触れず 「党に任期一任」 弾劾案採決へ
Cynthia Kim Ju-min Park Joyce Lee [ソウル 7日 ロイター] - 韓国の尹錫悦大統領は7日午前、国民向けのテレビ演説を行い、3日夜の非常戒厳宣布で混乱を引き起こしたことを謝罪した。与党からも辞任圧力が強まっているが、この日午後の弾劾訴追案採決を控えて辞任は表明しなかった。 尹氏は大統領としての切迫感から戒厳令を宣言したとし、決断に対する法的・政治的責任を逃れるつもりはないと述べた。同氏が戒厳令撤回以降、公の場に姿を見せたのは初めて。 「大変申し訳なく、ショックを受けた人々に心から謝罪したい」とし、再び戒厳令を宣言しないと明言した。また、「私の任期も含め、今後の政治情勢を安定させるための措置を党に一任する」と語った。 与党「国民の力」の韓東勲代表は、大統領はもはや公務を遂行する状況になく、早期辞任は避けられないとテレビで語った。 韓氏は6日、大統領が職務を続ければ国民が危険にさらされる可能性が高いとし、できるだけ早期に職務を停止する必要があるとの見解を示していた。 聯合ニュースは韓代表が7日に韓悳洙首相と会談したと報じた。韓国の憲法では、尹氏が辞任するか罷免された場合、首相が大統領職を代行する。 国会は同日午後5時(日本時間同)に、野党が提出した弾劾訴追案を採決する。最大野党「共に民主党」の指導部は、弾劾案が否決された場合、11日に再度試みる考えを示した。 検察当局や汚職捜査当局はいずれも尹氏と戒厳令に関与した高官らに対する捜査を開始し、反乱や職権乱用などの罪で起訴する可能性がある。