中国の習主席、欧米間にくさび打ち込めるか-訪欧で自らアプローチ
(ブルームバーグ): 中国の習近平国家主席は5月に明確なメッセージを携えて5年ぶりに欧州連合(EU)加盟国を訪問する。米国が認めていいと思う以上に中国ははるかに多くの経済的な機会を欧州に提供している。
中国外務省によると、習主席は5月5日から5日間の日程でフランスとセルビア、ハンガリーを訪れる。セルビアはEU加盟を目指している。
これらの国々は、中国の産業政策に対しEUが進める数々の調査や、関連リスクを指摘する米政府高官からの警告にもかかわらず、中国からの投資を求めている。
習主席はフランスを2日間訪問する。マクロン仏大統領は習主席との個人的なつながりを深め、ロシアのプーチン大統領にウクライナでの戦争を終わらせるよう働きかけたい考えだ。計画を知る関係者が匿名を条件に明らかにした。
マクロン大統領には、フランスの電気自動車(EV)バッテリー部門に中国の投資を呼び込む狙いもあると関係者は話した。
シンガポール国立大学(NUS)の荘嘉穎准教授(政治学)は、マクロン大統領が習主席に「独自の道を切り開く意思があることを証明したEUの大国であるフランスと交渉する機会を提供する」と述べた。
荘准教授によれば、習主席は今回の欧州歴訪で「自分の立場により同調しそうだと感じている欧州の一角を引き込もう」としている。
中国の王毅外相は4月27日、マクロン大統領の外交顧問に対し、仏政府がEUに現実的な対中政策を追求するよう促すことを期待していると語った。
EUの行政執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は5月6日にパリを訪問し、マクロン大統領および習主席との3者会談を行う。同委員長の報道官がX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。
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原題:Xi’s on a Mission to Drive a Wedge Between Europe and the US (1) (抜粋)
--取材協力:Siuming Ho、Alberto Nardelli、ジェームズ・メーガ、Ben Holland.
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