キダ・タローさん遺作CM曲公開「最初から最後まで“キダメロディー”がぎっしり詰まった曲」
大阪の葬儀会社「大阪祭典」は13日、5月14日に93歳で亡くなった「浪花のモーツァルト」こと作曲家キダ・タローさんが最後に制作したCMソングが流れるテレビCMを、同社ホームページ上の特設ページで公開する。 【写真】大平サブローが出演したCMの1カット CMはタレントの大平サブローが出演。家族葬をテーマにしながらも、スナックやラウンジを舞台にしたコミカルな内容が特徴で、スナック編とラウンジ編をそれぞれ2パターンずつ放映する。 スナック編では、仲間とカラオケを楽しむ高齢者夫婦が“ちゃんとした家族葬”をして欲しいと願い、「ちゃんとし~た~か~ぞ~くそう~」と朗らかに歌い上げている。 サブローは「だいたい先生は『と~れとれピチピチ♪』とかね。繰り返しが多い中で、今回はシンプルな感じなんで。いいメロディーですね、やっぱり耳に残る。CMソングってそうでないとダメですね。1回ですっと入ってくる」とキダさんのセンスに改めて感心しきり。 「最後にいいものを残して亡くなられましたね。先生もこの曲を思いながらお別れしたんかなぁと思うぐらい。浪花のモーツァルト。どうも、本当に先生、ありがとうございました」と語った。 サブローはキダさんとの思い出も披露した。幅広い仕事をこなすキダさんに「ほんまに作曲家でっか?」と聞いた際、キダさんは「当たり前じゃ、俺どんだけええ曲作ったと思てんねん」と返答。翌週、たくさんのCDを持って来たそうで「学校とか市の歌とか、ジャンル問わずこしらえてはる方なんで、やっぱり守備力すごいなと。で、この曲が最後の『CMソング』。改めて思いましたね、キダ・タローの守備力のすごさ、あっぱれでございます」と感服した。 今回のCMソングについて、所属事務所「オフィスとんで」も裏話が飛び出した。 キダさんは今回のオファーに2つのメロディーを作曲しており、どちらも甲乙付けがたい内容。悩んだあげく「それぞれの前半後半をつなげて1曲にしましょう」となったという。 キダさんに怒られるかなと思いながら伝えたところ、いとも簡単に納得してもらい拍子抜け。「でも実は、作った曲はもう忘れていらっしゃったみたいで、『さすが浪花のモーツァルト、天才!』と感激しました」と明かした。 その上で、「最後の作曲になったのは残念ですが、最初から最後まで“キダメロディー”がぎっしり詰まった曲となりました」と作品のデキに胸を張った。 CMは15日から、関西圏のテレビでも放映される。