「バカじゃなかろうか」不適切にもほどがある? NHKのブラタモリは偉そうなマンプレ番組なのか
先週、この春でレギュラー放送が終了するブラタモリについて、某県立大の教授先生が「よい企画だったが『マンスプレイニング』だった。次は男女を入れ替えた方が良い」とのコメントをSNSに投下、ネットで大きな笑いを誘っておりました。 この記事の他の画像を見る マンスプレイニングとは、男性が上から目線で(主に女性に対して)説明する様子のこと。相手を見下しながら物事を解説したり、知識を述べたりするサマ。ブラタモリは、タモさんが女子アナに向かって偉そうに知識をひけらかす番組だからイカンよ、だそうです。ん、偉そう? かなりナナメウエを行くご高説ですが、そもそも年長者のベテランに対し、若手アナが敬意を払って接するのって人として当たり前だし、性別以前の問題だと思うんですが、それがダメなんでしょうか? しかもブラタモリって、その道の「専門家が」タモさんにレクチャーしてあげる番組ですよね。毎回必ず、専門家が「なぜだと思いますか?」とタモさんに質問を投げかけ、それにタモさんが答えられるか否か、視聴者はその攻防まで楽しんでいます。 現地に着くまでロケ場所は秘密。移動中のバスですら車窓を目隠しされ、マンプレどころか、むしろタモさんが1人で奮闘している状況では……ああ、何か説明するのがバカバカしくなってきましたね。何だろうこの徒労感。もうタモさん風に「バカじゃなかろうか」と言ってしまって良いでしょうか。 教授のご要望どおりに、メインキャストを女性にして、進行役のアナウンサーを男性にしたところで、また「女性に山道を歩かせるなんて」「なぜ女性アナを活用しないんだ」みたいな批判が起きるだけでしょう。 正直、多くの人がポカンとするような、世間に全く刺さらない「ブラタモリ批判」でしたが、ではナゼこんな話題を記事で取り上げるのか。こんなの相手にしなくて良いだろ、と思われるかもしれませんが、違うんです。 世の中の多くを占める「まともな人」って、今回みたいなノイジーマイノリティに対して「アホだな」と感じつつも、実際は何もしません。わざわざネットで反論や指摘を投稿する人は稀です。だってバカバカしいから。 でもネットって投稿した人だけが存在する世界なんですよね。黙っている人、投稿しない人はゼロカウント、存在していない世界、それがネットです。 その結果、ネットは雑で的外れなノイジーマイノリティで溢れかえり、まるであたかもそれが主流意見であるかのように錯覚してしまう。最終的に世の中が妙な方向、ズレた方向に向かって走り出す可能性すらあるでしょう。 だから、くだらない、バカバカしい、指摘するでもない、みんな判っているような事でも「違いますよ」「アホですね」とネットでいちいち明確に指摘することは、それなりに必要な行為なのです。 この「いちいち」をやってこなかった結果、とんでもなく面倒な状況になっているのが、まさに今のテレビ業界でしょう。