橋下徹氏「頂き女子りりちゃん」と比べ「水原一平被告は相当軽い印象」司法取引で減刑予測に私見
大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏は12日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演し、ドジャース大谷翔平投手(29)の元通訳、水原一平被告(39)が大谷の口座から総額1697万5000ドル(約26億3000万円)を盗んだとする銀行詐欺などの罪を認めて司法取引に応じたことについて、持論を口にした。 【写真】チャーター機から降りてくる水原容疑者 橋下氏は「アメリカ的な司法取引は、被告人の権利拡大につながる」と指摘。水原被告は、司法取引に伴い、銀行詐欺罪とうその申告による納税詐欺で最長禁錮33年と見込まれた量刑が、禁錮7~9年ほどに減刑されると伝えられる中、橋下氏は恋愛詐欺のマニュアル販売で男性から計約1億5500万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われ、名古屋地方裁判所から懲役9年、罰金800万円の判決を言い渡された「頂き女子りりちゃん」こと渡辺真衣被告(25)のケースと比較。「『頂き女子』と、ちょっと前に話題になったあの方が確か懲役9年で実刑判決になったことと比べれば、相当軽いなという印象になると思う」と、渡辺被告の量刑と比較しながら水原被告の司法取引について言及した(渡辺被告側は今月1日に控訴)。 橋下氏はその上で「アメリカ的な司法取引は自分の罪について取引する。日本でも司法取引が始まりましたが、他人の罪について情報を提供したらちょっと有利にしてもらうということで、他人の罪についてなんです」と日米の違いを指摘。「アメリカ的な司法取引は自分の罪についても取引して、これだけ刑が軽減する。罪を軽減するために冤罪(えんざい)を生むのではないかとかいろいろ議論はあるんですが、アメリカ的な司法取引の前提として、最初の取り調べから弁護人がしっかり入り、取り調べについても密室の取り調べははない。僕はこれは大賛成」と述べた。 また「今の日本は、取り調べが密室で行われて、そこで冤罪(えんざい)が生まれる。弁護人の権利、被告人の権利も拡大しながら検察の方にも武器を与えるという、極めてアメリカの合理的なシステムだなと思う」と私見を述べ「(米国は)司法も生産性を求める。日本の場合は真実追及ばかりなので、僕はもう少し、司法の世界にも生産性を取り入れ合理的にやっていったらいいと思うんですけどね」とも語った。