奥平大兼「“面白かったね”の一言がすごく大切」学園アクション作品での発見:インタビュー
俳優の奥平大兼が、Snow Manラウールが主演を務める映画『赤羽骨子のボディガード』(公開中)に出演。奥平は、クラスをまとめる最強の司令塔・染島澄彦を演じる。本作は、週刊少年マガジンで連載中の、丹月正光氏によるコミックス『赤羽骨子のボディガード』(講談社)。とある事情から、100億円の懸賞金をかけられた赤羽骨子(演・出口夏希)。大好きな彼女のためにボディガードとなった威吹荒邦(演・ラウール)に与えられたミッションは、彼女にバレることなく守ること。そして、まさかのクラスメイト全員がボディガードだったことが発覚し、そのミッションを無事にクリアすることはできるのかという、究極の“守られ系”学園アクションエンタテインメント作品。監督は『エイプリルフールズ』、『ミックス。』、『変な家』の石川淳一氏が務めた。インタビューでは、映画『MOTHER マザー』や『君は放課後インソムニア』などで数々の映画賞を受賞し演技に高い評価を受けている奥平に、クラス最強の司令塔・染島澄彦をどう演じたのか、コメディー要素もある本作をどう捉えていたのか、話を聞いた。 【写真】奥平大兼、撮り下ろしカット ■少しプレッシャーを感じていた ――アクションシーンも見どころの本作に出演が決まった時の心境は? アクションもそうですけど、クラスの中で一番強いという役柄なので、少しプレッシャーを感じていました。過去にアクション作品に出演したことはあったので、その時のことを思い出しながらやっていました。 ――どんな準備をされて本番に臨みましたか。 撮影本番の1ヶ月前ぐらいから最初は1人で、後半はラウール君と2人で練習もしました。澄彦はクラスで一番強い役だったので、スマートにできるようにと意識して練習していました。最初はアクション部の方と一緒に合わせてやっていたのですが、本番はアクション部の方ではないので、キャストそれぞれ練習してきたリズムがあったので、そこを統一しようと心掛けながら練習しました。 ――最強の司令塔・染島澄彦を演じるにあたり意識されていたことは? 今回、僕が演じた澄彦は他のみんなと比べると、ちょっと淡々としているお芝居だったのですが、ストーリーが進むにつれて見えてくる澄彦の変化も含めて、他の人たちとのメリハリをしっかりだそうと考えていました。 ――石川監督から、こんな風に演じてほしいといったリクエストはありましたか。 物語の展開も早いので、全体としては掛け合いなどリズムよくやりたいとお話しされていて、そこは重要なポイントでした。澄彦としては、原作がある作品なので、どこまで原作に近づけるかというのがありますが、澄彦が明るく振る舞っているとき、その明るさの塩梅が、特に難しかったところだったので、その都度監督と相談、確認しながら進めていきました。 ――脚本、原作を読まれて、澄彦と自分が重なるところはありましたか。 なかったです。僕は澄彦みたいに人前に立つようなリーダーシップもないですし、 空手はやっていましたけど、クラス全員一斉に相手をしても澄彦1人で勝てるくらいの強さなので、当たり前ですけど、僕はそんなに強くないですし、そういうところも含めて自分と似ていると感じるところはないんです。 ■空手っぽくならないように意識 ――空手はどのくらいやられていたのでしょうか。 年少から小学6年生ぐらいまでやっていました。それこそ子どもの時は、空手しかやっていなかったくらいです。 ――空手は自分からやってみたいと? はい。僕はブルース・リーさんとジャッキー・チェンさんがすごく好きで、小さい頃にお2人が出演している映画をよく観ていました。ブルース・リーさんの『燃えよドラゴン』で空手をやるシーンがあるんですけど、その練習シーンを見て僕は、「空手をやりたい」と言いだしたみたいで、それをきっかけに始めたらしいです。 ――らしい? 空手が好きだった記憶はあるのですが、「やりたい」と言ったのは全然覚えていなくて。たまたま家の近くに空手を教えてくれるところがあったので、そこに通っていました。 ――大会に参加されたりも? はい。年に何回か出ていました。 ――結果はいかがでした? 割と良い成績は残せたと思います。 ――空手の型のようなものは体に染みついているのでは? そうなんです。今回アクション練習の時も体は覚えていて、最初は空手っぽい動きをしていたのですが、髙橋ひかるさん演じる棘屋寧のスタイルが空手なので被ってしまうなと思い、そこは逆に空手っぽくならないように意識しながらやっていました。 ――そうだったんですね。ラウールさんのアクションはいかがでした? 今回ラウール君が演じる威吹荒邦は割と荒削りな部分がある役で、うまく見せる感じでもなかったので、逆に難しそうだなと思いました。印象的だったのは、最後に敵を蹴るシーンがあるんですけど、すごく綺麗な蹴りでした。ダンスをやられているので、体の動かし方のノウハウがあると思いますし、きっと上手くできるんだろうなと思いながら見ていました。 ――たくさんキャストさんがいらっしゃいますが、もし他の役を演じられるとしたら、どのキャラクターをやってみたいと思いますか。 性別は違うのですが、棘屋寧はすごく面白そうだなと思いました。アクションもそうですけど、骨子との掛け合いであったり、寧の中で葛藤している部分も描かれているので、初号試写で観ていて、演じるのが面白そうだなと思いました。 ――葛藤などを抱えているキャラが好きだったり? 好きとは少し違うのですが、そういうのがあると自分の中でその役についてより考えることが必然と多くなります。自分がその人の人生として体験する、という意味ですごく面白そうだなと思いました。 ■シンプルに映像作品として楽しんでもらえたら ――どのように完成した作品を観ていましたか。 この作品に限ってのことじゃないですけど、 自分の粗探し的な感じで作品を見てしまうところがあるので、 素直にイチ視聴者として観られるかといったら、ちょっと難しいです。自分が登場するシーンはもちろん意識して観ますが、みんなのアクションシーンとか、別々で撮っていたところがたくさんあったので、どういう風に繋がっているのかワクワクしながら観ていました。また、想像していた以上にみんなアクションもすごくて、とても完成度が高いと思いました。 ――主題歌がSnow Manの「BREAKOUT」ですが、聴かれてみていかがでしたか。 初号試写で映像と一緒に流れたとき、この作品とすごくマッチしているなと感じました。また、音楽というところで言うと、映画のBGMでいろいろな曲が使われていて、僕も今まで出演した中でも、多種多様な音楽が流れている作品だったので、音楽と映像との説得力がある作品だと感じました。 ――さて、本作をどのように観てもらえたら嬉しいですか。 ポップコーン片手に気を抜いて観られる作品というところが、僕はすごくいいなと思いました。その中だとそれぞれのキャラクターのアクションシーンは、よく見るとすごく面白いことをしているので、注目してもらえたらと思います。僕も観ていて「これで相手を倒すのか!」と面白かったです。また、映画を観る前、観た後どちらでもいいのですが、ぜひ原作も読んでいただきたいです。 ――最後にこの作品でどんな発見がありましたか。 僕は今までコメディー要素のある作品に出演する機会はあまりなかったので、こういった作品に携わって気づいたことがありました。たとえば友達と一緒に映画を観た帰り道で、「面白かったね」の一言がすごく大切なんだって。シンプルに映像作品として楽しんでもらえる、そういう作品もすごくいいなと思いました。 (おわり) 【スタイリスト】 伊藤省吾(sitor) 【ヘアメイク】 速水昭仁(CHUUNi)