“ジョジョ”が!ディオが!原作ファンも“シビれる”死闘を展開 ミュージカル「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」観劇レポート
作品の圧倒的吸引力と脳裏にこびりついて離れない独創的なナンバー
作品がもつ圧倒的吸引力と、脳裏にこびりついて離れない独創的なナンバー印象的だったのは、序盤、いわゆる“お坊ちゃん体質”だった“ジョジョ”が、ディオという宿敵に大切な存在を傷つけられたことで、強くならざるを得なかったなかで描かれる成長。 松下さんと有澤さんは同じ役柄ながら、それぞれのアプローチでつくり上げた“ジョジョ”像を熱演し、歴史ある劇場に主演俳優としての実績を刻み込みました。 一方、“ジョジョ”の宿敵・ディオに扮する宮野さんは、「宮野真守ここにあり」といった濃厚な芝居でディオを怪演。 “闇の帝王”感を全身から漂わせ、彼が一言セリフを発するたび、そして、一つ動作をみせるたび、嬉々として悪役を演じている姿に思わずニヤリとしてしまいます。 さらに、作品全体を通して感じたのは、作品がもつ圧倒的吸引力と、ともに帝国劇場初登板となった演出・振付の長谷川寧氏と脚本・歌詞の元吉庸泰氏らフレッシュな制作陣の確かな仕事ぶり。 そこにキャストの瑞々しさ、そして、今、ミュージカル界でもっとも勢いのある音楽家といっても過言ではないドーヴ・アチア氏(共同作曲:ロッド・ジャノワ氏)によるドラマチックなナンバーが加わり、傑作の誕生を確信させました。 ジョジョとディオの壮絶な生きざまを全身で浴びてほしい、そんな作品です。終演後はきっと数々の印象的なナンバーが脳裏にこびりついて離れないことでしょう。
<あらすじ>
<あらすじ>物語は、ダリオ・ブランドー(コング桑田)が事故で破損した馬車を発見する場面からスタート。 ダリオが金品を盗み出そうとしているところで、馬車に乗っていたジョースター卿(別所哲也)が意識をとり戻し、ダリオに命を救ってもらったと勘違いする。 貧民街で暮らすダリオは妻や息子のディオ(宮野真守)に暴力を奮う毎日。病に伏したダリオは自らの死後、ジョースター卿を訪ねるようにとディオに言い残し、この世を去る。 ジョースター家に引き取られたディオがそこで出会うのが、“ジョジョ”ことジョナサン・ジョースター(松下優也と有澤樟太郎のWキャスト)。 ともにジョースター家の息子として育てられながら、ディオはジョースター家のすべてを奪うことを画策。 その企みに気づいた“ジョジョ”は、ロンドンの貧民街・食屍鬼街(オウガーストリート)で出会ったスピードワゴン(YOUNG DAIS)の協力を得て、ディオの陰謀に加担したワンチェン(島田惇平)を捕らえる。 絶体絶命のディオは、ジョースター家にある〈謎の石仮面〉を利用して吸血鬼となり、強大な力を入手。燃えさかるジョースター邸で“ジョジョ”と対峙する。 一旦は“ジョジョ”が勝利するが、ディオは生き延び、ワンチェンや切り裂きジャック(河内大和)を下僕として、屍生人を量産して自身の帝国を築いていく。 一方の“ジョジョ”は、〈謎の石仮面〉を追い続けるウィル・A・ツェペリ(東山義久と廣瀬友祐のWキャスト)の厳しい修行に耐え、吸血鬼に対抗する力「波紋法」を体得。スピードワゴンとともに、ディオと決着をつける旅に出る。 東京・帝国劇場での上演は2月いっぱいで終了。3月26日(火)~30日(土)=北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru、4月9日(火)~14日(日)=兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホールを3月に北海道札幌、4月に兵庫県神戸市を巡演。 製作:東宝 ©荒木飛呂彦/集英社
めざましmedia編集部