韓国検察、大統領夫人の株価操作疑惑を「不起訴」強行…「犯行に加担とは認めがたい」
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫人キム・ゴンヒ女史のドイツモーターズ株価操作疑惑を捜査した検察は、キム女史に対し嫌疑なしの処分を決めた。キム女史が株価操作に関わった情況が追加で公開され、疑惑がさらに深まっている状況で、ソウル中央地検が単独でこのような決定を下したことから、波乱が予想される。 ソウル中央地検・反腐敗捜査2部(チェ・ジェフン部長)は17日、「大統領の配偶者のドイツモーターズ相場操縦加担疑惑事件に関して、被疑者キム・ゴンヒを不起訴処分にした」と明らかにした。検察が告発状を受理したのは、4年半前の2020年4月。検察は「証券会社の電話注文の録音記録、主犯の間で交わされたショートメッセージおよび通話記録などの物的証拠、相場操縦に関わった人物らの陳述および事件関連の判決内容などをもとに、被疑者に対する書面調査および対面調査を追加で実施した」とし、「被疑者が主犯らと共謀した、または彼らの相場操縦の犯行を認識または予見しながら口座管理を委託した、株式売買注文をしたなど、犯行に加担したという点は認められず、起訴できないという結論に至った」と述べた。捜査チームは「一切の他の考慮なしに証拠と法理により相場操縦加担疑惑に対して厳正に検討した」と強調した。 捜査チームは、キム女史名義の6つの口座で行われた相場操縦の注文に対して、すべて犯行を認識して行われたことではないとの判断を下した。キム女史がクォン・オス前ドイツモーターズ会長などに託した4つの口座(新韓投資、DB、未来アセット、DS)については「クォン前会長や口座の管理人は誰も被疑者に相場操縦または株価管理をすると話したことがなく、被疑者はそのような事実を知らなかったと陳述した」とし、「管理・運用を委託した口座から相場操縦の注文が出たという事実だけでは、被疑者がクォン・オスらが相場操縦をしているという事実を認識しつつ口座を一任したとは断定しがたく、証拠もない」と述べた。 キム女史が自ら運用していた2つの口座(大信、ハンファ投資)も、犯行に加担したとみなす証拠がないと判断された。捜査チームは裁判所で、なれ合い売買が認められた大信証券の口座取引について「(2回目の相場操縦者の)K氏の需給要請を受けたクォン・オスが被疑者に連絡し、売り注文が出たものと推定されるが、この連絡の具体的な内容、当時の状況および被疑者の認識などを確認する証拠がない」と述べた。そのうえで「キム女史はクォン・オスに厚い信頼を置く関係」だという共犯の陳述に基づき「クォン・オスが自分を信頼している被疑者に、自分の犯行ないし株価管理の事実を隠して単純な推薦・勧誘で売りを要請した可能性も相当にある」と補足した。ハンファ投資証券の口座についても「この口座のなれ合い売買は1回のみ」だとし、「この頃、被疑者が相場操縦の主犯らと連絡を取っていたという情況や証拠はない」と述べた。 検察は「被疑者が犯行関与期間に、クォン・オスや1回目の相場操縦者であるL氏のほか、主犯らと直接連絡した証拠や情況がない。相場操縦に関わった者の中から、被疑者が相場操縦の犯行を共謀した、あるいは株価管理の事実を知っていたであろうなどの陳述はない」と説明した。捜査チームはまた「被疑者は株式関連の知識、専門性、経験などがあまりなく、相場操縦に関する前歴がない点、クォン・オスを信じて初期から会社の株に継続して投資していた点などを考慮すると、クォン・オスが相場操縦の犯行をするという事実を未必的にも認識または予見していたといは言えない」と述べた。 カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)