市川團十郎、長い〝旅〟 にまもなく一区切り「ホッとしている」 最後の襲名披露巡業8・30スタート
歌舞伎俳優、市川團十郎(46)が8月30日に千葉・成田国際文化会館から「十三代目市川團十郎白猿襲名披露巡業」(9月27日まで、18カ所・23公演)をスタートさせる。昨年から全国を回ってきた巡業は、これが最後。取材に応じた團十郎は、大詰めを迎えた思いや、その間に成長してきた子供たちへの思いなどを明かした。 【別カット】約2年にわたる襲名披露興行も終盤を迎え、胸中を語る團十郎 コロナ禍で2年半延期され、2022年11月に東京・銀座の歌舞伎座で始まった襲名披露興行は今年10月の大阪松竹座が大千秋楽。それを前に、並行して23年3月から地方を回ってきた襲名披露巡業(計53カ所・67公演)が今公演で最後を迎える。 長い〝旅〟に一区切りがつくことに、團十郎は「ちょっとホッとしています」と本音を吐露。この間の心境の変化を聞くと、「今までは父に教わったことを受け継いで次の時代に渡す責務を大きく感じていました。今はそれをするために自分自身が歌舞伎を楽しんで、それがお客様に伝わり、その状況を後続の人間が見て、ああいう風になってみたいという形になればという心境」と告白。そう考えるようになったのは、重圧のある襲名披露興行中に通常の興行にも出演し、改めて芸事の楽しさ、深みを感じたことも大きいようだ。 今公演では、演目「祝成田櫓賑」「口上」「河内山」を上演。海老蔵時代の12年10月から身近に伝統文化を感じてもらおうと自主公演の巡業を行うなど、地方での公演を大切にしてきた團十郎は「歌舞伎って楽しかったって思っていただけるよう、とにかく全力でやりきることが価値のあることと考えてやってきました」と意義を語る。 一方で、この襲名披露興行中に、長女の市川ぼたん(堀越麗禾、12)や長男の市川新之助(11)の成長も実感。 TBS系「ブラックペアン シーズン2」(7日スタート、日曜後9・0)の第2話に出演するぼたんについては、考え方が「だいぶ大人」とし、この日もオーディションを受けていると明かした上で「團十郎の家だからとかではなく、自分の足で歩いて行くことを彼女は選択し、必要とされるような人物になりたいと進み出した」と父の顔を見せる。 大役を次々に務める新之助については「期待以上の成果を出した」としつつ、「歌舞伎をまだ分かっていない」と厳しさも。この日は子供には理解が難しい千鳥足の振付を朝から稽古したといい、「さらに歌舞伎を分かってもらいたい」と師匠の顔を見せていた。