657日ぶりバッテリー「スガコバ」が救った!巨人4連敗阻止 菅野今季初登板勝利「誠司がうまく引き出してくれた」
◆JERAセ・リーグ 中日0―2巨人(4日・バンテリンドーム) 巨人・菅野智之投手(34)が中日を7回4安打無失点に封じ、チームの連敗を3で食い止めた。同学年の小林誠司捕手(34)と2年ぶりにバッテリーを組み、三塁を踏ませなかった。8回は2戦連続で救援に失敗していた中川皓太投手(30)が無失点でつなぎ、9回は大勢投手(24)が自己最速160キロをマークして今季初セーブ。3回の2得点を完封リレーで守り切り、勝率5割に復帰した。5日からは首位のDeNAと東京Dで3連戦に臨む。 【動画】菅野智之が東京ドームのスタンド席の階段でトレーニング 試合終了を見届け、菅野は柔和な笑みでハイタッチの列に加わった。今季初登板初勝利。チームの連敗を3で止めて勝率5割復帰に貢献し「僕自身もチームとしても大きな1勝。オフから今年に懸ける思いをすごく強く持って過ごしてきた。まずはいいスタートが切れた」と胸をなで下ろした。 2年連続沢村賞に輝いた17、18年を始め、二人三脚で歩んできた同学年・小林と、22年6月17日以来のバッテリー。初回先頭・三好にこそ四球を与えたが、「誠司がうまく引き出してくれた」とテンポ良く投球した。最速153キロと全盛期をほうふつとさせる直球に加え、カットボールを多用する新スタイルで2回以降は二塁すら踏ませず。「(打者が)対策の練りづらい球」と、4回に中田をカットで三ゴロ併殺に斬るなど6回まで3イニング連続で併殺を奪い、7回4安打無失点と快投した。 出遅れて自己最少の4勝に終わった昨季からの巻き返しへ、心を突き動かされる出来事があった。昨年12月のハワイ自主トレ出発前。今季から1軍コーチとなった杉内、内海両投手コーチに誘われ、3人で食事した。10月で35歳になるベテランは、先代の背番号18と理想のエースとして追い続けてきた先輩から、「まだまだできると思っている」と期待の言葉をかけられた。 5年ぶりに復帰した内海コーチからはこう言われた。「おまえのことは十分、理解しているから」。内海コーチがベテランに差しかかった時には菅野がおり、今の菅野には戸郷がいる。その関係性も分かるからこその言葉だった。後輩に背中で示すことを約束し、キャンプからブルペンもウォーミングアップも先頭を切った。 「環境が変わるのはすごく大きなこと。今までも頑張ろうと思っていたけど、そうやって期待をしてくれるような言葉をかけてくれる人があまりいなかった。心から燃えるものがあったし、自主トレからあれだけ準備して、さらにもっと頑張ろうと。内海さんと杉内さんに恩返ししたい」 杉内投手チーフコーチは木曜日に配置した理由を「中5日で開幕投手が来た場合に戦える投手。あと勝ちも拾える確率のあるところ。何とか15勝してもらいたい」と明かし、「最高でした」と絶賛。菅野は「連敗を止める積み重ねが最後、優勝につながる。これからもこういう時に回ってきたら、連敗を止めたり、勢いをつける投球をしたい」と結んだ。V奪回へ欠かせない男の12年目が開幕した。(田中 哲)
報知新聞社