詩人・谷川俊太郎、生前に単行本未収録作品から選び書き下ろした最新文庫登場 解説は声優・斉藤壮馬
11月13日に亡くなった詩人・谷川俊太郎さんによる最新文庫『ベージュ』(新潮社)が、11月28日に発売された。 本書は単行本刊行時、未収録の作品から谷川さんが自ら掲載する詩を選び書き下ろしを加えた記念碑的詩集の文庫化。文庫化にあたり新たに収録される解説は、声優の斉藤壮馬が担当する。 斉藤に解説が依頼されたのは、斉藤が、男性声優による音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク」での活動を通し、谷川の詩「うそ」を音楽トラックに乗せたパフォーマンスを行ったことがきっかけだという。生前、斉藤の解説を読んだ谷川は「とても面白かったです、ありがとう」という言葉をのこした。 装幀のウサギのイラストを描いたのは、吉實恵。谷川が晩年傍に置かれていたぬいぐるみがモデルだという。「アバターとかあるでしょ。これ、そういう感じで。こういうものがあるほうがいいんですよ、年寄りは」。そう話す谷川について、尾崎真理子は谷川との共著『詩人なんて呼ばれて』(新潮文庫)の中で「そうか、子ウサギにこころを乗せれば、いつでも、どこまでも、バーチャルな旅に出られる。それが詩人。……凄い」と書いている。 谷川俊太郎の言葉を、いつまでも味わおう。
リアルサウンドブック編集部