“缶入りの水”が若者たちを中心に大ヒット中? ニューヨークZ世代が「アメリカの飲料トレンド」をチェック
◆アメリカで大人気の「リキッド・デス」はどんな飲み物?
もう1つ、Z世代のあいだでポッピ以上にヒットしたドリンクは「リキッド・デス(Liquid Death)」という缶入り飲料です。黒を基調にしたデスメタル調のデザインは人々の目を引きますし、「死の液体」という言葉から、強いアルコール飲料やカフェインドリンクを想起させます。果たして、その中身は? ラボメンバーが説明しました。 メアリー:ただの缶入りの水なんだよね。最近はいろいろな味も出ているけれど。 ミクア:でも、なぜ缶のデザインがこんなに攻撃的なの? メアリー:それはね、喉の渇きを止めるのと同時に「プラスチックのペットボトルの死」を意味しているんだよ。 シェリー:なるほど。プラスチックより缶のほうが環境にいいということね。だけど、店で見かけても私は買わないと思うな。なぜなら、どう考えても水には見えないから。どう見ても見た目はアルコールっぽくて、何かがすごく強そうに見える。メアリーはなぜそれを手に取ったの? メアリー:それはマーケティングのおかげかな。みんなが飲んでいるから、という理由だよね。それに、私たちはいつもペットボトルの水のボトルを買っているから、「缶の水という選択肢もあるんだ!」と思ったわけ。彼らは本当にうまくマーケティングしたよね。 缶入り飲料のリキッド・デスの中身はただの水でした。しかし、ヒットの背景には環境に考慮した企業側の思惑があります。マイクロプラスチック問題も懸念されているペットボトルを使わず、缶で水を飲むという選択肢を提示。それが環境にもよく、「ペットボトルに死を」というマーケティングが大当たりして、若者のあいだで大ヒットしています。 最近では水だけでなく、スパークリング・ウォーターやアイスティーなども出ていますが、アルコールは一切入っていません。また、比較的お酒を飲まないZ世代にとって、一見アルコールのようなリキッド・デスは、ライブハウスやクラブのシーンにおいてぴったりの見た目です。「家で飲んでもナイトライフの気分で盛り上がれますし、そういう意味では無敵のドリンクかもしれません」とシェリーは語ります。 「ポッピ」と「リキッド・デス」が流行する大きな要因として、限られたお金のなかで少しでも健康にいいもの、環境にいいもの、気持ちが上がるものにお金を使いたい若者の価値観があります。 「そういった商品をもっと作って、工夫したパッケージやマーケティングによって広めることで、世界を少しでもよくするためのメッセージを企業から出してほしい。それも今の若者が願っていることです」とシェリーはコメントし、話題を締めくくりました。