写真家・深瀬昌久の芸術と愛の軌跡を、浅野忠信×瀧内公美で映画化「レイブンズ」
カラスを執拗に撮り、写真集『鴉』で世界的評価を得た写真家・深瀬昌久。その50年にわたる波乱万丈な軌跡を、浅野忠信主演、瀧内公美共演で描いた4ヵ国(フランス、日本、ベルギー、スペイン)合作映画「レイブンズ」が、2025年3月よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ユーロスペースほか全国で公開される。
天賦の才を発揮する深瀬(浅野忠信)だが、一方で心に闇を抱え、それは《鴉の化身》となって芸術家への道を容赦なく説く──。深瀬と妻で被写体の洋子(瀧内公美)、それぞれの芸術と愛の追求を、ダークファンタジー・ラブストーリーとして描き出す本作。 監督・脚本は「イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語」のマーク・ギル。1950年代の北海道から1970年代のNY、2010年代の東京へと舞台を移しながら、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に構築した。深瀬の暗部をシュールな愛の迷宮として表象するなど、独特の美学も発揮。深瀬の貴重な写真作品が多数映し出されるのもポイントだ。
〈コメント〉
■マーク・ギル監督 深瀬のことは2015年にイギリスの新聞で掲載されていた記事で知りました。彼の写真はもちろんですがそれを越えて複雑な深瀬と洋子の愛の物語が私を魅了しました。深瀬役は最初から浅野さんしか頭にありませんでした。プロデューサーたちには彼をキャスティングできなければこの映画はやめると言っていたほどです。ありがたいことに彼は企画を気に入り、早い段階でコミットしてくれました。 洋子役については、特別な女優をキャスティングする必要があるとずっと思っていました。洋子本人と数日間一緒に過ごしてみて、洋子を演じる女優には、深瀬(浅野)の強烈な重力にもかかわらず決して彼の影に隠れない強さが必要になるだろうと感じました。最初に公美を見たのは『火口のふたり』でしたが、スクリーンに映し出される存在感とともに彼女の勇気に感動しました。 日本は私が深く愛する国ですし、いつも温かい歓迎を受けてきました。日本での公開を心の底から楽しみにしています。 ■浅野忠信 『レイブンズ』本当に僕はもう好き放題やりました。僕にしかできない役だったと思いますし、僕が経験してきたことが全て活かせた役だと思います。深瀬さんという魅力的な人に出会えたことで、僕もここまでできたんだなと思うので、その好き放題やっている僕を楽しんでもらえればありがたいです。 瀧内さんは、きちんと役としてその場に生きてくれていたので、洋子そのもの。瀧内さんの鋭い勘には感謝してます ■瀧内公美 憧れの浅野忠信さんとのお仕事はとても刺激的で忘れられない体験になり、役者人生の中でこれ以上ない幸福な時間を過ごさせてもらいました。 脚本を読むかぎり、どのような仕上がりになるのか未知な部分もありましたが、マーク・ギル監督の才気がほとばしる、想像以上に素晴らしいファンタジックな物語が出来上がりました。 ぜひお楽しみに!