ハコスカGT+TC24【前編】|インジェクション仕様のTC24を搭載 安心&快適なストリート仕様を狙ったハコスカ|1971年式 スカイラインHT 2000GT+TC24-B1Z+OMEX+F-CON V Pro
日産のハコスカは、旧車ファンの誰もが認める人気No.1の名車。そして、OS技研のTC24-B1Zは、L型ベースの最高峰パワーユニットとして君臨する。そんな最高のコンビネーションで製作されたワイズ・スタイルのKGC10スカイラインは、「ストリート最強仕様」がコンセプトだ。唯一無二の、飽きることのないクールなフォルムと官能的なエンジン性能を、ストリートでストレスなく楽しみつくすために施された独創のチューンド。その全貌を紹介する。 【画像18枚】ボディカラーはサファリブラウン。ストリートに映える、当時のGT-Rのデモカラーだ。それに合わせ、ウインドーもR仕様にカスタムされている。 【71年式 スカイラインHT 2000GT+TC24-B1Z+OMEX+F-CON V Pro 前編】 ワイズ・スタイルが手がけたTC24‐B1Z搭載のハコスカは、これまでに2台。1台は、速さにこだわりチューニングされた、スパルタンなサーキット仕様。そしてもう1台が、ストリート仕様をコンセプトに仕上げられた、このハコスカだ。 ともにワイズ・スタイルのカスタマーカーで、着手時期はレーシング仕様が多少早いが、どちらにもほぼ同程度の製作時間が費やされている。 2月に開催された「ノスタルジック2デイズ2024」では、TC24‐B1Z搭載車としてOS技研のブースに2台そろって展示。 会場で実車を目の当たりにした読者もいることだろう。 同一車両、同一エンジンにして、180度異なるアプローチで仕上げた2台のハコスカは、ひときわ注目を集める存在だった。 あくまでも、カスタマーの意向に沿ったチューニング&カスタムがモットー。サーキット仕様はもちろん、ストリート仕様となるこのハコスカも、TC24‐B1Zへの換装やカスタムの方向性は、オーナーのオーダーによるものだ。 ワイズ・スタイルの山地勝己さんによると、2年前のノスタルジック2デイズに来場したオーナーが、会場でTC24に心を奪われ、自分のクルマに搭載することを決意。それに伴い、リメイクすることになったそうだ。 「オーナーは、オリジナル志向の街乗り派で、当初は王道のL型チューンでした。それが一転、『エンジンをTC24に換装したい』と……。カスタムの方向性は、以前の街乗り仕様のまま。サーキット仕様とはまったく異なるアプローチで、リメイクすることになったんです」と山地さんは言う。 サーキット仕様とストリート仕様。同じTC24を搭載しつつも、キャラクターのまったく異なるハコスカを、ほぼ同時進行で製作。流用の利くメニューもあったが、一から考えたカスタムが大半だったらしい。 ちなみにチューナーにとって、サーキット仕様よりストリート仕様の方が難易度は高い。目的がはっきりとしている前者に比べて、後者は用途が広く正解がつかみにくいのが理由だ。特にTC24のような高回転・高出力型のエンジンを搭載する場合は頭が痛い。エンジンの素性を生かし、パフォーマンスを発揮させようとすればするほど扱いづらく、ドライバーの負担が大きくなってしまうのだ。 ストリートでTC24の性能を、いかにオーナーの意向にマッチさせるか。その解決策となったのが「ストリート最強仕様」というコンセプトだ。 サーキット仕様のような絶対的な速さではなく、扱いやすさや安定性を重視したセッティングを施すことで、TC24をステージを問わないストリート最強のパワーユニットにチューニングする。 そしてこのコンセプトは、エンジンだけでなく、シャシーや外装、内装に至るすべてに反映された。 「オーナーが気に入っているハコスカとTC24を、いつでも、いつまでも不安なく楽しめるように整備性や環境面にまで配慮した」という、文字通りのストリートチューンド。その主要なカスタムメニューを紹介していこう。 まずエクステリアは、オーナーの好みでもある、飽きのこないオリジナル重視のスタイルを継続。ハコスカの生まれながらのフォルムをきっちりと継承する方向で、ボディはフルレストア。フェンダーやカウルトップパネルといった交換可能な部位は新品に交換。可能な限り若返りが図られている。ボディカラーは、日産の伝統色であるサファリブラウンで内外装、フロアまでオールペイント。それに合わせるホイールは、ワークの45年以上の歴史を誇るエクイップ03を装着。ハコスカのフォルムにフィットするアンティークなデザインと、このモデルにしかないカラー(アンティックゴールド)が、ボディカラーにベストマッチだったことが装着する理由となった。ちなみに山地さんは、旧車のストリート仕様にはワークのホイールを推している。 「ワークのマルチピースは、セッティング、インセットにカラーカスタムの自由度がピカイチ。見せる機能がダントツ」と話す。 【後編】に続く
Nosweb 編集部
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