阪神・岡田彰布監督の記念球は大竹耕太郎の手元に…「ヤバいですか?」マツダスタジアムでは6戦全勝
(セ・リーグ、広島1-2阪神、12回戦、阪神6勝5敗1分、3日、マツダ)〝鯉キラー〟がメモリアル勝利を呼び込んだ。投のヒーローは7回2安打1失点(自責0)で5勝目をつかんだ阪神・大竹耕太郎投手(29)だ。 【写真】一緒にラーメンを食べる阪神・才木浩人と大竹耕太郎 「初球を振られるのが嫌だな、と思って投げるのか、それを利用してやろう、と思うのか。自分のマインドとして、今日はポジ(ティブ)志向が全部できた」 切れのある直球に、四回には最遅72キロも計測したスローボールを投じるなど、緩急を駆使。相手の積極性も打たせて取る投球に利用し、五回2死まではパーフェクトだった。この回は佐藤輝の失策から同点に追いつかれたが後続を断って逆転は許さず、直後の佐藤輝の〝おわび弾〟の1点は七回まで守った。通算10度目だった広島戦は無傷の8連勝。特にマツダでは初登板から6戦6勝。球団では能見篤史が開場した2009年から10年に記録した数字に並んだ。 この日、岡田監督の球団監督勝利数は最多タイの514勝に到達。左腕にとっては早大の大先輩であり、2022年の現役ドラフトで虎に導いてくれた存在だ。将が「いらんよ」と話した記念球の所在は大竹のもとにあった。「俺持ってるわ。ヤバいですか?」と一瞬あたふたしたが、ひと呼吸置き「どちらかと言ったら明日(4日)でしょ。更新の方が大事じゃないですか?」とケロリ。単独1位に立ったときの記念球を届ける役目は次戦の村上に託した。 「もっともっと投げさせてもらえるように、信頼を勝ち取っていかないと」 7回97球の好投にも満足しない。指揮官への恩返し。心を揺さぶるような投球を続けていく。(須藤佳裕)