「ドット絵でも感動した…」ファミコン版『ドラクエ3』記憶に残る「伝説のイベントシーン」
■懐かしのワードとメロディーに大興奮! 衝撃だったギアガの大穴からのアレフガルド
『ドラクエ3』をプレイしていた当時、一番衝撃的だったのは、ギアガの大穴からアレフガルドに落ちたあとのシーンだろう。 バラモスを倒してアリアハンの城に戻り、王様からお祝いを受けていると、まさかの大魔王ゾーマの存在が明かされる。長い戦いがようやく終わったばかりだったので、「え……エンディングじゃないの?」と、意外に思ったことを覚えている。 そして、何も分からないままギアガの大穴に落ちてみると、そこはカギのかかった小屋があり、なかにいる男から「ここは やみのせかい アレフガルドっていうんだ。」と、衝撃のワードを告げられることとなる。そう、過去2作にも登場した「アレフガルド」が、ここで突如登場するのだ。 さらに小屋を出ると船と少年がいて、話しかけてみると「ここから ひがしにいくと ラダトームの おしろだよ。」と、これまた驚きの事実を教えてくれる。 そこから船に乗り海原へ出て、言われた通り東の方向へ向かい船を降りると、まさかの懐かしいメロディーが……「おお、『ドラクエ1』じゃないか!」と、さらに衝撃を受けた。 「本当にラダトームなのだろうか?」と、ドキドキしながら町へ入ろうとした瞬間、南東の川岸に毒の沼地に囲まれたお城を発見。『ドラクエ1』にあった竜王の城だ! それまで何の情報もなかったので、このシーンはかなり鳥肌ものだった。『ドラクエ2』は設定も前作の続きで、『ドラクエ1』の主人公の子孫が活躍するというストーリー。だが、『ドラクエ3』までも設定がつながっていると知らなかったため、興奮しないわけがない。ここからまた新たな冒険が続いていくんだと、ワクワクさせてもらったものだった。
■虹の橋を架ける「にじのしずく」と父の健在を知って驚いたオルテガの戦闘シーン
ラスボスであるゾーマの城を目指すには、リムルダールから虹の橋を架けないとならない。そのためには『ドラクエ1』と同じく「にじのしずく」が必要だった。 この「にじのしずく」は、「あまぐものつえ」と「たいようのいし」、「せいなるまもり」を集め、「せいなるほこら」へ行くと入手できる。 そして、いよいよリムルダールの西にある岬で「にじのしずく」を使うと、グラフィックが7色に美しく変化し輝き、橋が架かる。これは当時のファミコンならではの美しさといえるだろう。派手な演出に心が躍った。『ドラクエ1』のときも感動したが、本作でもこれでラストバトルに突入するのかと感慨深くなったものである。 また、ゾーマの城では主人公の父・オルテガの雄姿を見ることができた。生きていることはラダトームの城で判明していたし、「もしかしてどこかで出会えるのかも?」と期待していたので嬉しかった。 だが、オルテガはキングヒドラの猛攻に力尽き、かたわらにいる主人公に対して「へいわな せかいに できなかった この ちちを ゆるしてくれ……とな」と、アリアハンに住む息子へ伝えてほしいと語る。 もはや主人公が自身の息子であることがわからないほど、息も絶え絶えだったのだ……。オルテガのビジュアルはさんざんネタにされてきた「カンダタ」と同じ覆面マスクのパンツ男だったが……それでも、世界の平和を目指したオルテガってすごいと感動したものである。 タイトル画面も英文字だけだったりと、容量がギリギリだったファミコン版。このビジュアルも仕方なかったのかもしれないが、ぜひともHD-2D版では、よりカッコ良く感動的に仕上がっていることを期待したい。 『ドラクエ3』ではさまざまなイベントがあって、そのたび興奮し、楽しませてもらった。ここで挙げた以外にもオリビアの岬やノアニールの村など、グラフィックが進化したHD-2D版でどのように展開されるのかが楽しみなシーンはいくつもある。 そういえば、アッサラームの町の夜には“ぱふぱふ娘”が登場していたが、今回のHD-2D版でどんなふうに描かれるのか、ひそかに期待してしまう人も多そうだ……。
ジャッキー