「宇宙戦艦ヤマト」ささきいさお「変な曲書くなと思った」宮川彬良「マツケンサンバと同じ」
公開中の映画『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』4K リマスター公開記念トークイベントが12月10日、都内で行われ、歌手のささきいさおと作曲家の宮川彬良が登壇した。 【もっと写真を見る】あの『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』が4K リマスターでよみがえる! 現在に続くアニメブームの原点『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』と、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(2024年1月5日公開)の4K リマスター版が全国36館で2カ月連続で期間限定上映されることを記念したトークイベント。「宇宙戦艦ヤマト」主題歌を歌い『さらば~』で斉藤始役の声を担当したささきと、同シリーズの音楽を担当した故・宮川泰氏の息子で「宇宙戦艦ヤマト2199」シリーズの音楽を手がける宮川が秘蔵エピソードを語った。 1974年の放送開始から来年で50周年を迎える「宇宙戦艦ヤマト」。ささきは「初めて歌った時は苦労しましたけど、放送された時に “すごい作品なんだ” と感動した。まさか、その作品を50年にわたって歌い続けるとは……」と感慨深げ。「当時の声は若々しくて、あふれんばかりに歌っているのですが、歌う仕事の時はなるべくその声に近づけようと思って苦労している。今日はしゃべるだけなので気楽にやります(笑)」と続け、笑いを誘った。 ささきはテーマ曲を依頼された経緯を「最初に『たたかえ!キャシャーン』(『新造人間キャシャーン』OPテーマ)を歌って、評判がよかったので半年後に2~3本依頼がきて、慌ててもう1本 “これも歌ってほしい” という手紙がきた。A4の紙2枚に『真赤なスカーフ』と『宇宙戦艦ヤマト』、そこに作曲:宮川泰、作詞:阿久悠と書いてあって “これはすごい” と緊張した」と振り返り「当時は譜面だけ送ってくるので、それを見てピアノでたどって覚えていく。それで現場に入ってオケを聞いて “こんなすごい曲なの” と思うわけです」。
ところが「ヤマトの時は譜面が間違ってて。Cマイナーの曲をCのメジャーで書いてあって、僕はそのまま覚えていっちゃった。現場に行って “じゃあ合わせましょう” とオケを聞いたら全然合わない」と衝撃のエピソードを披露。宮川が「あの曲をメジャーで歌うと沖縄民謡みたいなメロディーになるんです」というと、ささきも笑いながら「宮川先生は変な曲を書くなと思って(笑)。作曲する時にフラットを3つつけ忘れてて、えらい目にあった。だから “いい曲だと思いましたか?” と言われても、そんなふうには思わなかったよね」と思い出を語った。 最初のテレビ放送時、中学2年生だったという宮川も「僕は紛れもなく最初のヤマトファンの1人。学校に行ったら僕を入れて3人しか見てなかったけど(笑)」と苦笑い。「裏番組が強力で、うちの1階の茶の間のテレビは『アルプスの少女ハイジ』で、僕は2階の父の寝室のポータブルの白黒テレビで寝転がって見た」と思い返し「それでも感動したんですよ。最初は寝転がっていたけど、ヤマトがバリバリバリバリーッと出てきたと同時に起き上がって、食い入るように見ました。“何だこれは” と心を奪われちゃって、でもそれを見たのは隣のクラスの◯◯君と◯◯君。それが50年前の真実です」と当時の空気感を明言。