スギの大木を曳いて「足がガクガク」 力を合わせた「御柱祭」は子どもたちの思い出に
長野県上田市真田町長の山家(やまが)神社で15日、集落から同社境内まで大木を曳(ひ)く「御柱祭」が開かれた。コロナ禍で地域の祭りが中止されたのを受け、40代を中心とした住民有志らが、子どもたちの思い出に残る行事をしよう―と2022年に始めた催し。4年かけて4本の御柱を境内に立てる予定で、今年は3本目を協力して立てた。 【写真】スギの重さは2トン。数メートル進むたびに休憩した。
小学生から高齢者までの約100人が、地域の山林から切り出しておいた長さ約13メートル、重さ約2トンのスギの御柱を約1キロにわたって曳いた。あふれんばかりの力を込めて―という意味の方言という「ずんぎり、いっぱい」とのかけ声とともに、消防団のラッパの音に合わせて御柱の綱を引いた。数メートル進むたびに休憩し、沿道の観客らも加勢した。
赤備えのよろいかぶとを着て参加した同市中之条の橋本拓也さん(40)は、出発の10数分後には汗だくになり「御柱祭はテレビで見ただけ。やってみるとなかなか進まず、足が疲れてガクガクする」。地元から長野高専(長野市)に通う中島慶乃さん(18)は「世代の異なる多くの人と関わる機会は御柱祭くらい。たくさん話しかけてもらった」とうれしそうだった。