BBQ死傷事故で理事長が初釈明 「きょう辞職する」
九州朝日放送
去年、福岡県柳川市の専門学校で行われたバーベキュー中に、コンロにアルコールが注がれ学生4人が死傷した事故。1年以上が経過し、初めて理事長が4日、報道陣に姿をみせました。 学校法人ハリウッド美容専門学園・古賀英次理事長「多くのみなさまに深くお詫びを申し上げます」 深々と頭を下げたのは、柳川市のハリウッドワールド美容専門学校の最高責任者・古賀英次理事長です。 「私の不徳の致すところだと捉えております」 去年5月、懇親のため学生約470人と職員らが参加してのBBQが開かれましたが、火を早く起こすため、男性職員がコンロに手指消毒用アルコール1リットルをかけ、一気に燃え上がりました。 炎上した火は学生4人の服などに燃え移り、そのうち男子学生(当時18歳)が命を落としました。 去年6月の保護者説明会・古賀英次理事長「バーベキューコンロにアルコールを注いだのは、私の指示ではございません」 保護者「これだけそばにいた生徒が聞いていて」 4日、古賀理事長が事故後初めて姿を見せたのは福岡県庁。 再発防止策などを検討していた第三者委員会がまとめた調査報告書を受け取るためです。 第三者委員会・伊藤巧示副委員長「理事長と加害職員の聞き取りの中で指示はなかったとしています」 調査報告書は、アルコールの使用について当時、直接的な指示はなかったものの、使用を発案したのは古賀理事長だったとしました。 そのうえで理事長による強権的な経営が続き、危険と感じていた職員が意見できない組織体制だったと指摘しました。 古賀英次理事長「はやく火を起こす方法がないかと考えていました。私が誤った判断をした」 古賀理事長は判断の誤りを認める一方で… (Qなにが原因だったのか)古賀理事長「原因は、職員がバーベキューのコンロの周りに生徒がいる中でアルコールを注いだと」 4日、事故後初めて記者の質問に答えた古賀理事長。 4日付で理事長を辞し、今後については「新しい体制で、再発防止策を作ることが最善の方法」と言い残し、県庁を後にしました。 改めて、第三者委員会がまとめた調査報告書を見ていきます。 第三者委員会は「事故に関する事実の総括と背景」として3点を挙げました。 一つ目が「理事長がコンロの火起こしとしてアルコールの利用を発案した」 二つ目「この発案に対し職員から反対意見が出なかった」 三つ目「理事長の直接の指示はなかったものの、職員がコンロの火力を上げることを理事長の意に沿うものと考えアルコールを投入した」 これらを踏まえ、第三者委員会は「再発防止のための提言」として「経営体制の刷新」や「内部通報制度の整備」などを挙げ、古賀理事長は会見で「きょう付で辞任する」と話しました。
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