頼れる人がいない若者…多様化する『生活困窮者』 ホームレス支援団体の「シェルター」とは やり直すための「選択肢作り」
■多様な「選択肢作り」を大切に
活動を行う上での課題や、今後についても尋ねた。 Homedoor 理事長 川口加奈さん:シェルターを運営していくには、寄付をしていただく“サポーター”が必要です。サポーターが集まり次第ですが、心理的なケアが必要な相談者のために心理カウンセラーを配置したいです。行政の課題を民間として担っていく上で、法人・個人の寄付に頼らざるを得ませんが、思うように集まらないこともあり、経済的な問題は大きいです。 アンドベースでは、毎月1000円の寄付をする「サポーター」を募っている。目標は3000人だが、現時点では900人ほど(2024年6月現在)。 事業や講演会などの収益もあるが、寄付の必要性が大きいため、ホームレス問題の啓発にも積極的に取り組んでいる。 取材した中で、川口さんの「ホームレスをゼロにすることが目標ではない」という言葉が印象的だった。 Homedoor 理事長 川口加奈さん:“選択肢作り”を大切にしています。『ホームレス状態から脱出したい』と思ったら脱出できる、そのための選択肢が多様にある状態を目指しています。 自己責任論や、『本人が悪いのでは?』という考え方もあるかもしれませんが、困窮した状態から脱したいと思った時に脱する方法があるのか、ないのか。どちらがいいか考え、脱出の方法をたくさん作れるよう活動しています。賛同いただける方は応援していただけたらうれしいです。 支援団体の存在を知っても、自らの状況に諦めている当事者もいるという。 それぞれに複雑な思いを抱えている人たちに支援を押しつけず、多様な「選択肢」を用意する。「やり直したいと思ったらやり直せる社会」を目指すHomedoorの活動に、これからも注目したい。
関西テレビ