「はまっていく」「儲かる気がするのでは」SNS型投資詐欺に勧誘された男性語る 福岡県で11億円超と被害急増
SNSなどを通じて投資を募り、多額の金をだまし取る「SNS型投資詐欺」。福岡でも被害が急増している。実際に投資を持ちかけられたという男性は「ずっと読んでいたら儲かるような気がするのではないか」と話す。 【画像を見る】広告から登録すると「AO・堀江」と名乗る人物が現れた
詐欺事件を防いだ銀行員に感謝状
2024年5月17日、福岡中央銀行の行員2人が、詐欺事件を未然に防いだことで直方警察署から感謝状を贈られた。 事件が起きたのは2024年3月のことだった。70歳の顧客の女性が「自宅リフォーム代金の一部として200万円を送金してほしい」と依頼してきた。 しかし送金先の口座が凍結していたため、銀行は女性を一度帰すことに。 その2時間後に女性が再び来店し、今度は2時間前とは違う口座に送金してほしいと依頼してきたため、不審に感じた2人の行員は送金を止め、警察に通報したのだ。 福岡中央銀行直方支店 小山夏子さん: (顧客の女性は)とにかく「振り込みたい」っていうのが強かったですね…。いつもと雰囲気は違いました 福岡中央銀行本店 石井尚美さん: これは「絶対に止めないといけないな」と思って…。3時ギリギリだったので、受付だけして「(金を)送らない」という判断をいたしました 70歳の女性は、SNS型投資詐欺の被害者だった。これまでに金や株への投資で合わせて2700万円をだまし取られていたという。 福岡県警直方警察署の川口和彦生活安全課長は、「全国的にSNS型の投資詐欺、ロマンス詐欺が非常に増加しています」と話す。
成功報告に違和感「絶対ありえん」
被害が拡大するSNS型の投資詐欺。その大きな要因とされるのが「有名人になりすまし」。投資に詳しい有名人になりすます手口だ。 北九州市に住む60代の男性は、フェイスブックの広告をきっかけに有名人をかたる人物から投資を持ちかけられたという。 北九州市の男性: 「投資の話があります」と、堀江さんのですね。それでクリックしてみたんです。そしたら「LINE登録してくれ」と 北九州市出身の実業家、堀江貴文さんから投資のアドバイスを受けられるという広告。もともと投資に興味があったという男性が登録してみると、現れたのは「AO・堀江」と名乗る人物だった。 AO・堀江(LINE画面): はじめまして、堀江貴文と申します。僕を追加したのは投資知識を学ぶためでしょうか、それとも優良株を受け取るためでしょうか 男性が投資を学ぶ意思を示すと、「AO・堀江」を名乗る人物は「自分は忙しい」とアシスタントを紹介し、それから投資のアドバイスを得られるLINEグループ「発見の旅」に招待されたという。そのグループには70人余りが参加していた。 LINEグループ「発見の旅」 男性「必ず私のために一つの枠を確保してください」 女性「きのうの取引は本当に素晴らしかったです」 北九州市の男性: 「今回、こんだけ儲かりました」とか「これを教えて下さい」とか、堀江先生とかいうてからしょっちゅう、(LINEの通知が)鳴るんですよ。すごいんですよね、ちょっと読んでみたら「絶対ありえんな」と グループ内での投資が成功したという報告の多さに違和感を持った男性は、詐欺であることに気づいた。 北九州市の男性は、「『手が込んどるな』と思ったですよ。あれずっと読みよったら、はまっていく気がします。『儲かるような気がするんじゃないかな』と」と語った。