九州北部豪雨から7年 田んぼに水が引けないまま
テレQ(TVQ九州放送)
「この谷には小河内という集落があった」 朝倉市杷木松末に去年建てられた石碑。「小河内集落跡」と刻まれています。 記者 「九州北部豪雨を受けて建設された砂防ダムができています。このダム建設地の中に集落のほとんどがあり住民は戻りたくても戻れない状況となりました」 かつて17世帯50人が暮らしていた旧小河内地区。被災後、集落があった場所に砂防ダムが建設されたため地区はおととし解散。その名は消えてなくなりました。 小川さん 「昔にはもどられんもんやけん、今から先どうにかしていかなければならない」 故郷を失うつらさを吐露した小川信博さん。 7月2日。私たちは再び小川さんのもとを訪ねました。 旧小河内地区は現在真竹地区に統合されています。 小川さん 「普通の雨やったらいいばってん線状降水帯というと自分たちが体験したやんね。 線状降水帯って言われるとピリッとくるけんね」 あの日の大雨で自宅は被災しましたが砂防ダムの建設エリアではなかったため小川さんは自宅を改築。旧小河内地区には現在小川さんを含む2世帯が生活しています。復旧が進む一方で時が止まったままの場所もあります。 農地です。 仲間の小嶋さん 「パイプを下から出している」 小川さん 「お~下にな。これじゃまにあわんめーも」 この地域では九州北部豪雨から7年が経った今も川の水が田んぼに引けずコメ作りができていません。さらに毎年のように地域を襲う大雨の影響もあり復旧が思うように進んでいないのです。 小嶋さん 「(田んぼを整備する)業者が今までおらんかった。去年の7月(の大雨)にやられてまた片付け。だんだんと工事が終わらなくて長引いてしまった」 朝倉市では九州北部豪雨で760ヘクタールの農地が被災。一部では農業が再開できているもののこの地域は川の形そのものが変わってしまったため現在も新たな農地の整備を続けている状況です。 整備が終わる来年度にはようやくコメ作りが再開できる見通しですが小川さんには不安も残ります。 小川さん 「まだ(田んぼができるか)最後までわからんけんね。梅雨の明けるときになってざーっと降ることがあるからね」
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