中国、EUからの豚肉輸入で反ダンピング調査-貿易巡り対立激化
(ブルームバーグ): 中国が欧州連合(EU)から輸入している豚肉に関税を課すという事態は、苦境にあえぐ欧州の豚肉業界にとって最大の脅威だ。
世界最大の豚肉消費国である中国は今週、EUからの豚肉輸入に関する反ダンピング調査の開始を発表した。
EU圏で豚肉輸出トップクラスのスペインやデンマークは、関税賦課となればここ数年落ち込んでいる国外での売り上げがさらに落ち込み、農家から加工業者に至るサプライチェーン全体が打撃を受けることになると警告している。
EUの欧州委員会は12日、中国から輸入する電気自動車(EV)に来月から最高48%の関税を課すと発表。中国による豚肉を巡る調査はこうしたEUの行動に対する新たな報復措置だ。
中国は今年1月にEU加盟国から輸入している一部酒類に対する反ダンピング調査を発表しており、中欧の貿易摩擦が一段と激化している。
中国商務省は21日、EUがEV輸入に関する反補助金調査において中国企業を「威嚇」「強要」して「過度に広範」な情報を提供させたと主張。同省の報道官はEUが要求した情報の多くは「センシティブなビジネス情報」だと声明の中で指摘した。報道官の氏名は明示されていない。
中国がEUへの報復準備-貿易戦争、対米国ではなく対豪州型か
原題:China’s Pork Probe Is Yet Another Blow for Struggling EU Farmers、China Accuses EU of ‘Prying’ Into Business Secrets in EV Probe (抜粋)
--取材協力:Clara Hernanz Lizarraga、Nayla Razzouk、Chris Miller.
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Celia Bergin, Hallie Gu, Sara Sjolin