“幸せになれる”アイシングクッキー ふるさと納税の返礼品に 青森県おいらせ町の就労支援施設
RAB青森放送
おいらせ町の就労支援施設が、県内でも珍しい「アイシングクッキー」作りを作業に取り入れています。そのクッキーは食べる人と作る人両方の心を捉え、いま全国へ広がろうとしています。 りんごや野菜、動物に昆虫など、色とりどりでかわいらしいデザインのこちらは…クッキーを粉砂糖と卵白で作ったクリームでデコレーションした「アイシングクッキー」。クッキー生地には、県産の卵やはちみつ、またりんご・ブラックベリーの粉末などが使われています。 アイシングクッキーを作っているのは、おいらせ町にある就労支援施設「おあしす」。 工房は甘い香りでいっぱい! 「髪飾り こっちですね ちっちゃく めっちゃ細かいねこれね かわいい~!」 アイシングクッキー作りを指導しているのは、おあしすの副施設長佐々木愛莉さんです。障がい者福祉の仕事に就く前は、東京でエステティシャンなどの美容関係の仕事をしていました。 ★おあしす 副施設長 佐々木 愛莉さん 「20代前半の時は都会に憧れて東京に行ったんですけどやっぱり都会の厳しさとかいろいろあってこちらに帰ってきて落ち込んでいたんですけど」 体調を崩してふるさとへ帰ってきた佐々木さん。母親から以前から興味のあったアイシングクッキーの教室のあることを聞き通い始めたのです。 ★おあしす 副施設長 佐々木 愛莉さん 「作っている中でかわいくてきれいでおいしいというので自分がどんどん癒やされていきました」 そして、父の正和さんと立ち上げた「おあしす」で、3年前から障がい者の就労支援の作業にアイシングクッキー作りを取り入れたのです。 おあしすでは、利用者が特技や長所を作業に生かせることを大切にしています。こちらの利用者は、絵を描くことが大好きだそう! ★利用者 「頭の中でいっぱい出てくるんですよね」 ★青森放送 伊東幸子 アナウンサー 「え~ すごいな~」 ★おあしす 副施設長 佐々木 愛莉さん 「浮かんでくるんだね」 ファイルの中からイラストを選んで3Dプリンターでオリジナルのクッキー型を作り…完成したのがこちらのうさぎのクッキー。かわいらしさや温かみが、イラストのまま表現されています。 ★利用者 「すごくやる気になりますね」 「(クッキー作りを通して)すごく成長したなぁって思えるところがいいなぁって思います」 ★おあしす 副施設長 佐々木 愛莉さん 「おうちで何もせずにいろいろと考え事をしちゃうっていう方たちが今やっと外に出て何かをしようっていうので出て来てくれているところなので、そこをもっと持ち上げていきたい」 おあしすのアイシングクッキーは愛らしさとこれらの取り組みが評価され、ことしの6月おいらせ町のふるさと納税の返礼品に抜てきされました。 ★おあしす 副施設長 佐々木 愛莉さん 「みんなが頑張って作った物がいろんな方の手に渡るって考えたらすごくうれしいですしすぐに利用者さんに伝えました。『みんな!』っていう感じでうれしくて」 完成させたクッキーがこちら。 ★おあしす 副施設長 佐々木 愛莉さん 「青い森のなかまたち」 「青森県の中にいる動物たちが、ここの工房に、青森県の自分たちのお気に入りの果物などを持って運んできてくれるというような」 返礼品サイト「ふるさとチョイス」では、社会貢献につながる「思いやり型返礼品」として紹介され、納税することが利用者の工賃アップなどにつながります。 利用者にとってアイシングクッキーを作ることは… ★利用者 「作業がおもしろいのとクッキーの匂いがすごくいいんですよ出来たての匂いが」 「前はちょっと(気持ちが)落ち込んだ時もあったのですがここに来てからはすごく楽しい日々が送れています」「すごく“幸せになれるクッキー”だと思います」 ★おあしす 副施設長 佐々木 愛莉さん 「難しいかと思ったけど今のみんなならたぶん出来る」 佐々木さんが信じたアイシングクッキーの不思議なパワー。利用者の背中もやさしく押してくれるそのクッキーは、ふるさと納税返礼品として全国へと「幸せ」を届けます。