欧米メディアは錦織のジョコ戦完敗を「奇跡は起こらなかった」と報道
男子テニスの今季最終戦ATPツアーファイナル(ロンドン)の1次リーグ準決勝で、A組2位で世界ランキング5位の錦織圭(26、日清食品)はB組1位の同2位ノバク・ジョコビッチ(29、セルビア)と対戦し、1-6、1-6のストレート負けを喫した。わずか1時間6分で終わった同試合を受けて、欧州を中心に幅広く放送しているスポーツ専門放送局ユーロスポーツの電子版は「ジョコビッチは錦織を打ちのめし、アンディ・マレーとの対決を決めた」と伝えた。 錦織との準決勝については、まず第1セットからゲーム展開を説明。 「ジョコビッチは、疲れ切ったように見えた錦織をはつらつと自信に満ち溢れた様子で苦しめた。錦織は、試合開始から20分も経たないうちに2度のブレークとともに0-4とされ、自らのゲームに持っていく機会を失った。錦織は早い段階でのアンフォーストエラーによって動揺し、自ら転落していった。ブレークで第5ゲームを取ったが、次の2ゲームは世界2位のプレーにより片付けられ、第1セットはわずか25分で終わった」 続いて第2セットについて、「ジョコビッチは“急ぐ人”となった。彼は第2セットが始まるやいなやブレークを取り、(第1セットから)6ゲーム連続で取って錦織の反撃を断った。信じられないことに、錦織は開始から57分たって、この試合で初めてキープをした。しかしそれも長くは続かなかった。すっかり調子に乗ったジョコビッチは、その9分後、楽に勝利を決めた」と、試合経過をまとめた。 試合の流れを伝えるページでも、第2セットでジョコビッチが5-1となった場面で、「この試合は簡単に6-0、6-0となり得る試合だった。錦織は2ゲームを奪ったが、その2ゲームともジョコビッチが(一方的優勢に立った)満足感で落としたもの」とし、6-1となったあとには、錦織が40-0に持ち込んだものの、最終的にジョコビッチに決められたことを受けて「ジョコビッチは、この試合を66分で決める前、相手を弄んだ」とし、いかに錦織が完敗だったかを伝えた。 ジョコビッチは、20日(日本時間21日)、世界ランク1位奪回を目指し、現1位のアンディ・マレー(31、英国)との決勝に臨むが、同記事では、「セルビア人のジョコビッチは、シーズン最後の勝ち抜き戦で同大会記録に並ぶ6度目の決勝進出をここ数ヶ月でベストの状態で簡単に果たした」と始め、「ジョコビッチは、122週続いていた世界ランキング1位の座を2週間前に失った。しかし彼は、2016年を世界1位の座をマレーから奪う可能性が高くなった。マレーは同準決勝でミロシュ・ラオニチを倒すのに3時間38分を要しジョコビッチよりずっと苦労した」とし、錦織と試合を66分で終えたことで、ジョコビッチがV5を達成し、ランキング1位を奪い返すのに断然有利となったと報じた。